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まだ小さな穴に挨拶のキスをしてから根元まで咥える。濃く硬い汗をかいた陰毛も肌に触れると気持ちいい。聖の平均より小さな性器は中でピクピクと反応した。玉から裏筋に向かって舌を動かし、上下に口を動かして緩急をつける。
「んっ、はぁ……おっ……♡♡!!」
「ひゃほふ、ひゃわひー」
「あ♡くわえ、て……はなさないで…っく、れっ♡♡♡♡」
既に止める気力も感じない言葉を合図に吸引する力を強め、聖を絶頂へと誘う。聖は足を曲げ、バタバタと左右不規則に動かした。
「お"っ♡♡お…僕、イクッッッ♡♡!!」
足がツンとしなる。口内で性器が震え、精液が放たれた。後に引くのは青臭い味と聖が持つ甘味な体液。
「は、はっ…あっ、あっ…♡♡はっ……♡」
飲み込まずもちゃもちゃと口を動かすと味わうように咀嚼する。歯と歯の間にも侵入してくる。舌に絡みつくような粘質な精液は思ったほど楽しませてくれた。
体を床へ投げ出した聖と目が合い、ごくんとそれを飲み込む。食道にまとわりつくが、これもまた一興。
「京介っ……!!」
「あ、ごめん。別に嫌がらせるわけじゃ、ーーんっ」
奪った唇は何度も同じ部位を押し付けてきた。角度を変え、舌でこじ開けて唾液を交換する。ふと鉄臭い匂いがしたが、すぐに口の中へと味覚として感じた。きっと切ってしまったんだろう。僅かだが最高に美味いと感じた自分が少し憎い。時折、何度か唇が離れるがそれでも何度も触れられた。抱き締めることを許されないので、腕は自然と床に下ろしていた。
舌と舌を結ぶ透明なリボンが出来上がると、熱い瞳がオレの視界に入る。
「よ……ろこんでくれ…たか?」
「うん。とっても。全部美味しかったよ」
聖の瞳に星の輝きが流れる。
「京介、好き……っ」
「うん。オレも」
「もっと、頑張る……から、待っていてくれ……んっ……」
目を擦りながら頭をカクンカクンとさせ、胸の中に収まった淫魔はしばらく経つとすやすやと眠ってしまった。
(今なら、いいかな……)
ずっと持て余した両腕をそっと聖の背中に回す。「んっ…」と可愛い声が聞こえたけど、またすぐに規則正しい寝息が聞こえてくる。
(暖かい……)
体温の低さもあるが、太陽みたいなぽかぽかさ。心臓の鼓動が直接伝わってきて、次第と心も落ち着いてくる。おでこには前髪がべちゃりと張り付いていた。
「聖……ーー」
好き。大好き。愛してる。
それらは愛の言葉。
でも、何度伝えても聖を人間界から離すことは まだオレには出来ない。
逞しいけれど柔らかく、大きく優しい彼はオレなんかが泣いて願えば付いてきてしまいそうだから。
『聖!!大きくなったら、オレと結婚して?』
五歳でここを離れるときに聖のファーストキスを奪った。反応が怖くてすぐにその場から逃げた。
(そんなオレが願っちゃダメだよな)
「んぅ……。きょーちゃん……」
「お疲れ様、聖」
今だけはまだ、まだもう少しだけ。
聖と一緒にいたい。
聖の隣で、幼馴染の恋人としていさせてください。
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