6 / 6
第6話
それからずっと、涼は隆寛に謝っていた。
「ほんっとーにごめん!!あまりにも色っぽかったんで、もう抑えられなくて…!!」
「い、色っぽいってなんだよ…」
ベットで腰をさすりながら、隆寛が涼を睨む。
「だって、オレいつも隆寛を見てたんだもん。出会った日から。そんなの、抑えられるわけないじゃん」
「え、見てたって…」
「お前がカッコいいから、毎日見てたんだよ」
涼を見ていた隆寛が真っ赤になる。
(お、いい反応じゃん)
涼は調子に乗って隆寛の頭を撫でながら囁く。
「毎日、オレが抜いてやったら道中で悶々しなくなると思うけど?」
「〜〜っ!」
枕を涼に思い切り投げつける。
「だからさ、付き合ってよ」
笑みを浮かべる涼に、隆寛が驚く。
「こんな出会いもあっていいじゃん。ねえ、冴えないフリーターを救ってよ。人を救うのがお坊さんでしょ」
今は良いことが一つもない。こんな時に出逢えたんだから離すもんか、と涼が必死に口説く。
「…救って欲しいなんて言われたら断れないじゃないか」
苦笑いしながら隆寛が涼のおでこにデコピンをする。
「いてッ」
「いいよ付き合ってやる。オレが救ってやる」
隆寛の言葉に、涼が満遍の笑みを浮かべる。
「その言葉にすでに救われた!」
「何だ、安いやつだなあ…それに、身体の相性もいいしな」
フフッと笑う隆寛に、今度は涼が驚き、大笑いした。
「何だよ、このエロ坊主!」
【了】
ともだちにシェアしよう!