3 / 3
下
「ああっ、あ、っ……、んあっ!」
深島さんの、男とは思えないような高い喘ぎ声が、部屋に響く。だらしなく開けた口から垂れた唾液が首筋を伝う。その様子がなんだかエロくて、それをなめれば、大きな声を深島さんは上げる。
「なな、み、あっ、あっ、だめ、それっ……」
「ダメ? 僕が欲しい、って言ったでしょう?」
散々煽っておいて、今更ダメだ、なんて。そんなむごいこと、聞き入れられるわけがない。
がくがくと腰を揺さぶり、肉が当たる音を、どこか遠くに聞く。
だんだんと、深島さんの後ろの収縮が激しくなってくる。
「みし、まさん……っ。また、イくんですか?」
「わ、わかんな……ぅうっ、く、あっ、でも、も……っ」
強く、しがみつくように抱き着いてきたかと思うと、ぎゅう、とナカがうねった。
搾り取られるような感覚に、腰が勝手に動く。
「ま、て、ななみっ、イってる、今動いたらダメだってぇ……っ」
「みしまさん、すみませんっ。僕も、もう……」
やだやだと、大きく喘ぐ深島さんに、二、三度深く杭を打つように動かすと、僕の熱は彼の最奥に欲を吐き出した。
息を整えていると、深島さんがついばむようなキスをしてくる。
この人はいつもそうだ。一度終わると、甘えるように何度もキスを求めてくる。それに応えていると、ふと深島さんと目があった。
彼は、楽しそうに笑う。
「七見、大好き」
その言葉に、再び、体の奥からぞくぞくと熱が込み上げてきた。
みしまさん、と僕は彼に深いキスをねだる。その意味を、彼はすぐに理解したようで、二回目のお誘いを受け入れてくれるのだった。
□■□ □■□
「死ね」
翌朝、すっかり酒の抜けた深島さんはストレートにそう言い放った。
とろけたような酔い顔はどこへやら。いつものしかめっ面が戻ってきている。
けれど、酔った深島さんの可愛さを知っている僕からしたら、そんな暴言はそうそうダメージを食らうものではなく。いやまあ、説教とかはまた別の話だけど。
にやけたい衝動をかみ殺していると、それをすぐに察した深島さんは、僕を軽く蹴り飛ばした。
「ほんと、お前……お前さあ」
言葉を探しながら、深島さんは呆れたようにため息をつく。しかし、すぐに探すことを諦めたようで、再び深いため息を吐いた。
「好きですよ、深島さん」
その言葉を聞いた深島さんは、深いため息の後、うまく息を吸えなかったようで、むせていた。大丈夫ですか、と背中をさすろうとしたが、手をはねのけられてしまった。
「な、なん……なんだよ! 急に! いきなり!」
「いきなりじゃないよ。ずっと、いつも思ってる」
「~~っ!」
深島さんは顔を真っ赤にしながら、こちらを睨んできた。
深島さんは酒に弱い。酔うと、素直になって甘えてくる。けれど、酔わなくたって、意外とこの人はかわいい人なのだ。
ともだちにシェアしよう!