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「ああっ、あ、っ……、んあっ!」  深島さんの、男とは思えないような高い喘ぎ声が、部屋に響く。だらしなく開けた口から垂れた唾液が首筋を伝う。その様子がなんだかエロくて、それをなめれば、大きな声を深島さんは上げる。 「なな、み、あっ、あっ、だめ、それっ……」 「ダメ? 僕が欲しい、って言ったでしょう?」  散々煽っておいて、今更ダメだ、なんて。そんなむごいこと、聞き入れられるわけがない。  がくがくと腰を揺さぶり、肉が当たる音を、どこか遠くに聞く。  だんだんと、深島さんの後ろの収縮が激しくなってくる。 「みし、まさん……っ。また、イくんですか?」 「わ、わかんな……ぅうっ、く、あっ、でも、も……っ」  強く、しがみつくように抱き着いてきたかと思うと、ぎゅう、とナカがうねった。  搾り取られるような感覚に、腰が勝手に動く。 「ま、て、ななみっ、イってる、今動いたらダメだってぇ……っ」 「みしまさん、すみませんっ。僕も、もう……」  やだやだと、大きく喘ぐ深島さんに、二、三度深く杭を打つように動かすと、僕の熱は彼の最奥に欲を吐き出した。  息を整えていると、深島さんがついばむようなキスをしてくる。  この人はいつもそうだ。一度終わると、甘えるように何度もキスを求めてくる。それに応えていると、ふと深島さんと目があった。  彼は、楽しそうに笑う。 「七見、大好き」  その言葉に、再び、体の奥からぞくぞくと熱が込み上げてきた。  みしまさん、と僕は彼に深いキスをねだる。その意味を、彼はすぐに理解したようで、二回目のお誘いを受け入れてくれるのだった。 □■□ □■□ 「死ね」  翌朝、すっかり酒の抜けた深島さんはストレートにそう言い放った。  とろけたような酔い顔はどこへやら。いつものしかめっ面が戻ってきている。  けれど、酔った深島さんの可愛さを知っている僕からしたら、そんな暴言はそうそうダメージを食らうものではなく。いやまあ、説教とかはまた別の話だけど。  にやけたい衝動をかみ殺していると、それをすぐに察した深島さんは、僕を軽く蹴り飛ばした。 「ほんと、お前……お前さあ」  言葉を探しながら、深島さんは呆れたようにため息をつく。しかし、すぐに探すことを諦めたようで、再び深いため息を吐いた。 「好きですよ、深島さん」  その言葉を聞いた深島さんは、深いため息の後、うまく息を吸えなかったようで、むせていた。大丈夫ですか、と背中をさすろうとしたが、手をはねのけられてしまった。 「な、なん……なんだよ! 急に! いきなり!」 「いきなりじゃないよ。ずっと、いつも思ってる」 「~~っ!」  深島さんは顔を真っ赤にしながら、こちらを睨んできた。  深島さんは酒に弱い。酔うと、素直になって甘えてくる。けれど、酔わなくたって、意外とこの人はかわいい人なのだ。

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