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第2話
友達はありがたく、同情してくれたのか今でも行動してもらえる。
ほんとありがたい。
ただ、科学の授業の移動時間になると僕は一人で向かう。
何故かって、科学の授業が始まる手前に迎えに来るのだ…。
「可愛い…可愛い…可愛い!!本当に可愛い!なめたい、触りたい、抱きしめたい!」
僕のクラスの廊下で叫ぶ怪しい人物、野良崎先生だ。
「君♡♡♡♡♡迎えに来たよ…!」
「…あの…迎えにくるの辞め」
と言う前に、クラスに入ってきてお姫様抱っこで運ぼうとする。
「ほら!授業間に合わなくなるよ。
あーモチモチボディ…良き…」
「うあああっ!?ちょっ下ろして下さい!」
「僕が運んだ方が早いよ?」
クラスの目線が僕に集まり、恥ずかしすぎてこの場から逃げたくなる。泣きそう。
ていうか僕の太ももを揉みながら話すの辞めて欲しい。
「下ろして下さいっっ」
「えー…なら今日の放課後に科学授業室来るなら下ろしてあげよう」
「…何故でしょう?」
「後5秒でお返事」
「えっ!?」
「543…」
「早いです!わかりました!行きます!」
「よし。なら下ろしてあげよう。じゃあまた授業でね」
やっと下ろしてくれた。ほんとこの人僕に何か恨みでもあるのだろうか…ほとんどこんなのいじめではないか。
先生が去ってから、友達達が慰めてくれるのだが、いたたまれない。
気落ちしながら科学準備室に移動。
授業中は本当に、普通の先生なんだけどなぁ。
僕に変な事を言う前は女子生徒に人気があったと言われるくらいには、普通にしてたらイケメンの先生で、僕の世界とか関わりはなさそうな感じなのに。
授業も終わって帰ろうとすると、僕の肩を軽く掴み、
「放課後に忘れないように」
とあるかわからない目を細めて笑う。
「はい…」
気乗りしない態度が出てる返事だと自覚してはいる。まあ、そんな返事にもにんまりと笑うので本当によくわからないし、僕は苦手だ。
放課後まで、時間は刻一刻と過ぎていくほどに気落ちしていく…。
続く
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