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大凶・6

 しゃくりあげる俺を見て、雀夜が小さく溜息をついた。 「自分を貶すようなことは言うな、って意味だ。お前は明るくて元気で周りを癒す力を持ってるだろうが。俺とは正反対だ。それに……」  雀夜の指が俺の頬から離れ、代わりに頭を撫でられた。後頭部に回された手が、そのまま俺を雀夜の胸へと導く。 「それにお前は、自分で思っているよりも……綺麗だ」 「………」  胸に押し付けられた耳から、雀夜の鼓動が伝わってくる。 「だから自分を貶すな。うるさくて鬱陶しい、それが桃陽だろ」 「……好きでいても、いいってこと」  雀夜の腕に力が入った。 「諦めらんねえんだろ」 「……うん」  力無くそれに頷くと、雀夜はほんの少しだけ笑って、宥めるように俺の頭を軽く叩いた。  そして…… 「諦めきれねえんだったら、俺もお前を好きになりゃあいいんだな」 「えっ? ……で、でも……」 「まぁ、そうなるかどうかはお前次第だけどよ」  ……こんな時でも雀夜は厳しい。軽はずみに俺の気持ちを受け入れるなんてことは絶対にしない。  だけどこれはチャンス。雀夜が俺に与えてくれた、一種の賭けのようなもの。  諦められないなら、好きにさせてみろ――。 「……雀夜」  俺は伸ばした手で雀夜の腰に触れた。 「……ん?」 「好きな男とするセックスは、たぶん他と比べ物にならないくらいに満たされるんだろうね」 「そうか? 全部同じだろ」 「違うよ。絶対に違う」 「試してみるか……?」  雀夜の手が、俺の股間に触れる。互いのそれを撫で合いながら、俺達は鼻先僅か五センチのところで見つめ合った。 「んっ、あ……」  下着の中に入ってきた雀夜の手が、焦らすような動きで俺のそれをくすぐる。俺は雀夜の愛撫に小さく身悶えながら、彼のベルトに手をかけた。 「桃陽。昨日の撮影のこと、幸城から聞いたぞ」 「あっ……。や、やっぱり……。松岡さん、怒ってた?」  抜き取ったベルトをベッドの端に寄せ、続いてボタンを外し、ファスナーを下ろす。ぴったりとしたボクサーパンツの隙間から手を入れると、雀夜の体がビクリと反応した。俺の手が冷たすぎたんだ。 「怒ってねえよ。幸城もお前を心配してる。お前はどんなプレイでもできるなんて言うが、本当は嫌だったんじゃねえか、ってな」 「そんな、ことないっ……あぁっ」  先端を指でねっとりと捏ねられ、思わず大きな声が出てしまった。 「嫌なことは嫌だと言え。お前には言う権利がある」

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