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第1話 飛鳥井康太
飛鳥井康太
18歳
違いの解る男!
康太は玄関の鏡に向かってポーズを取った
フッ決まったな!
と、ポーズを取ると後ろからスパーン!と新聞紙を丸めた筒で叩かれた
頭を抱えて振り向くと姓は『 緑川 』
名は『 一生 』と書いて『かずき』と呼ぶ が不敵な顔で立っていた
「お前の何処が違いの解る男なんじゃぁぁぁ!」
朝早くから、緑川一生の怒声が鳴り響く
「痛てぇな! 一生ぃ! 」
康太は吠えた
そんな康太を宥めるように、康太の後ろから手が伸び腰を抱き寄られた
康太は上を向くと愛する伴侶、榊原伊織が康太を抱き締めていた
康太は榊原の腕に抱かれたまま一生に噛みついた
「オレは沢庵の違いが解る男なんだもんよー!」
ベー !っとして吠えた
四宮聡一郎が一生の頭を叩いて
「康太に構うんじゃありません!」と怒った
フランス人のママの血を濃く受け継いだ聡一郎は金髪の美青年へと変身を遂げていた
ここ最近…細くて華奢なキャラから、フランスの映画に出てくる青年の様な甘い感じに変わっていた
一生は、頭をポリポリ掻いて不貞腐れていた
「聡一郎の康太びいきは健在か…」
一生は、あっかんべー…をした
「このぉ! 良い年しやがって…」
聡一郎が一生を追い掛けた
一生は康太に抱き着き逃げた
聡一郎も康太に抱き着いた
そんな光景を起きてきた一条隼人が見て
「ズルい!
オレ様も仲間に入れろ!」
と、抱き着いて来た
飛鳥井の家に…あの騒がしさが戻って来た
朝から騒ぐ声が戻って来た
出勤前の瑛太は、その姿をずっと見詰めていた
だが出勤時間が迫って来て、玄関を占拠する姿に戸惑う
すると瑛太に気付いた康太がスルッと抜け出し瑛太に抱き着いた
「瑛兄おはよう!」
瑛太は康太の頭を撫でた
そこへ力哉が現れ群れてる奴等に怒った
「早く車に行きなさい!
遅刻しますよ!
瑛太さん、佐伯に怒られるの覚悟ですか?」
瑛太は……たらーんとなり康太を榊原に返した
そして一生達と靴を履くと、外へ駆け出した
ベンツに乗り込む瑛太に康太は手をふり、車に乗り込んだ
康太の声が飛鳥井の家に戻って来るだけで、家に活気が満ちてきて光に包まれる
康太が笑うだけで
楽しくなれる
彼は、飛鳥井の家に生まれた
稀少の真贋
だけど高校生と言う日々に生きていた
「さぁ行くもんよー 」
飛鳥井康太…
残りの学園生活を完全燃焼をして終える事を固く誓った
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