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第6話

警察沙汰にしたくないakiraの希望で、ストーカーは自身の身分を克樹に明かして去った 去り際に克樹が、今度同じことしたら俺が社会的に抹殺してやる、とハッタリで脅した。ストーカーは顔が青ざめていたので、あの小心者なら再犯を犯すことはないだろう。 「遅くなってしまってすみません!」 克樹はakiraに向かうなり勢いよく頭を下げて謝った。akiraは謝らないでください、と伝え、克樹に頭を上げるよう促した。ゆっくりと頭を上げた克樹の表情は、緊張で強張っていた。 「謝らないでください。むしろ、感謝しています。助けていただき、ありがとうございます。」 恐怖に陥っていたakiraは、救ってくれた克樹に礼を言った。もし誰も助けが来なかったらと想像するだけで恐ろしい。ストーカーに遭遇した記憶が蘇り、akiraの身体は小刻みに震え出す。 「akiraさん、失礼します。」 克樹はそう言った後、akiraの身体を自身の胸の中に閉じ込めた。 突然の克樹の行動以上に、akiraの身体の震えが次第に収まっていく方に驚いた。 「人の心音を聞くと落ち着くって何かで読んだことがありまして。・・・本当に、怖い思いをさせてしまってすみません。」 克樹はakiraを抱きしめながらそう伝える。腕の中の彼の身体の震えがなくなるのがわかり、克樹は離れた。明るい場所に移動していたので、克樹の顔が良く見える。akiraは彼の顔を見つめ、告白されてからのことを思い返していた。 告白の返事を急かすことなく待ち続けてくれたこと ストーカーに身体を触られただけでも気持ち悪かったのに、克樹に抱きしめられた時には無かった嫌悪感 ―何よりもっと触れて欲しい、抱きしめて欲しい 「朔月さん。」 akiraは克樹のもう一つの名前を呼ぶと、今度は自分から克樹の胸に飛び込んだ。突然の出来事に、克樹の手は宙を彷徨う。自分から克樹の背中に手を回し、高鳴る鼓動を静めるようにゆっくりと口を開いた。 「僕は、貴方のことが好きです。」 克樹はakiraの返事が嬉しく、彷徨っていた腕をakiraの背中に回した。晴れて恋人同士になった2人は、存在を確かめ合うようにきつく身体を抱きしめ続ける。 熱い抱擁の後、2人の身体は離れた お互いに見つめ合って微笑み合う。克樹はakiraの可愛さに完全に照れていた。 そして2人は、恋人同士になって一番最初に聞きたいことを口にした。 「貴方の本名を教えてください」

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