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星空きらり

初めて見たあの日の星空は忘れない。 田舎への転勤。やさぐれていた僕の目に飛び込んで来たのは都会では見れない満天の星空。 気持ち悪いほどの無数の白い光が、空一面に散らばっていた。 それから。 無理矢理連れて行かれた秋祭りの時の、星空。 笛の音と、鉦鼓の音が風に乗って響いていた。 キラキラと輝いていたのは星空か、彼の笑顔か。 今こうして田舎暮らしを満喫できるようになったのも、地域の人達と彼のおかげだ。 できる事ならもっともっと、長く居たかったよ。 僕は今日、元の都会に戻る。 みんなが残念だと送別会まで開いてくれた。でも。 彼は一言も何も言ってくれなかった。 でもそれで良かったと思ってるんだ。 僕はこのままだとどんどん君を好きになっていただろうから。 今日の星空も、僕は一生忘れないだろう。 満天の星空の下で僕は少しだけ、泣いた。 【了】

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