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ヘアサロンにて

「じゃシャンプーしますね」 初めて見る顔だ。アッシュグレーのツーブロック。細身の彼は、モロに僕の理想。 椅子を倒され、仰向けにされたとき不意に彼と目が合う。冷ややかな一重。鋭い眼光。ゾクゾクっとした。 「…顔、隠しますね」 ガーゼで顔を覆い、ホッとした。多分僕は真っ赤になっていただろう。 彼の指でシャンプーをして貰いながら何とか平常心を取り戻しつつあったのだけど。 耳の辺りを洗ってる時に背中がゾクと泡立つ。何度も耳朶を触ってきたのだ。 そしてシャンプー最中なのに、顔を覆ってたガーゼを外して彼は顔を覗き込んできた。うっすら、微笑みながら耳元で囁く。 「気持ちいいとこ、ありますか?」

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