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そうじ

ずいぶん前から掃除道具を準備してたし、天気も快晴。今日は一日、年末大掃除。 一緒に暮らしてる真吾と朝から作業を開始した。 窓ガラスを拭いて、キッチンの換気扇の汚れを取って。気がついたらもうお昼過ぎ。 ふと、真吾の気配がしない。一生懸命すぎて居ないことに気がつかなかった。 「真吾ー、何してんの」 キッチンの隣の寝室に、真吾が背中を向けてうずくまっていた。振り返った手元には卒業写真のアルバム。 「ついつい、懐かしくなって見てた」 そのアルバムは僕等が卒業した高校のものだ。もう4年前になる。 あの頃はまだ、自覚してなかった。お互いが、お互いに恋愛感情を持ってたことを。 アルバムを覗き込むと、クラスの集合写真が載っていた。僕の真後ろに真吾がいる。 「この頃の譲、可愛かったよなー!」 「真吾は相変わらずだけどな」 思わず顔を見合わせて笑い合う。 楽しかったあの頃に戻りたいな、と思うことはあるけど。僕は今の方が断然、幸せだ。 ずっとこの幸せが、続きますように。 「…で、ここの窓ガラスは拭いてくれたの?」 「えっ」 おしまい

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