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ゆりかもめの朝
「僕の言葉をちゃんと聞いて」
制服を着て、帽子を深く被っている彼にそう語りかけた。
「あぁ?!今それどころじゃないだろ!始発組が来るんだぜ!怪我人出さないようにしねーと、職員のせいになるんだからよ」
全くこのクソ寒いのに、何がコミケだ!と口の悪い同僚の青山がぶつぶつ呟いてる。
今年もあと数日。僕としては今年中に告白しておきたい。
青山と一緒のシフトなのは、今朝で今年最後だ。
もうそろそろ、始発組が走ってくる。駅構内に緊張が走る。
決められた位置で待機している職員。ふと隣にいた青山の横顔を見る。ああ、やっぱりカッコいいな…
だめだ、我慢できない。
「来るぞー」
誰かの合図と共に、僕は青山の方にかけていった。
「お前、あっちいなきゃ…!」
「僕さ、青山が好きなんだけど!」
僕と青山の間を、一斉に人が駆けていく。
青山にちゃんと聞こえただろうか。
おわり
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