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おまけー4
すまない、と周防が笑う。
「ほんとに、妊娠したらどうしよう……」
「それはないから、心配しなくても……」
「わからないよ」
キッと周防を睨んで言った。『僕の赤ちゃんを産んで』とか『やってみなきゃわからない』とか最初に言ったのは周防だ。
「玲。あんまり可愛いと……」
いつまでたっても終わりにできないよと、尻を揉まれる。玲は飛び上がった。もがいて腕の中から逃れる。
けれど、すぐに寂しくなって周防の胸に額を寄せた。
「玲……?」
「ぎゅってしてほしい。でも、お尻は……」
今日は、もういい。
もごもごと告げる。周防が笑った。
「わかった。もう一度、身体を洗って……、今日は、終わりにしよう」
今日は、のところを少し強く言った気がする。
「靴、どうしたかな?」
浴室に移動し、周防に身体を洗われながら、玲は呟いた。
普段履きとして気に入っている。できれば回収したいのだが……。
「僕が持っている」
レバーを操作し、玲の身体に湯をかけながら、周防がシレッと呟き返す。
「え……?」
「当然だろう?」
明るい浴室の照明を浴びて、シャワーの水滴がきらきら光った。
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