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王子様も眠れない(13)

 誰に迷惑がかかるわけでもない。  当分の間は、想像以上に魔性だった愛しい恋人に振り回されるのもいいかもしれない。自分たちは、まだ蜜月の中にいる。  覚えたての快楽に溺れる十代の少年のように、奔放に愛を交わす。実際、玲は初めての官能に夢中なのかもしれない。童心の素直さで、それを味わっているだけなのだろう。  いつか落ち着く日もくるだろうと誰にともなく言い訳をし、今夜もまた、眠れない夜を二人で渡ってゆく。  小さな抵抗を覚えるのは、周防の中に、まだわずかに常識に捕らわれる部分があるせいかもしれない。  愛しい相手を自由にまぐわう。それは、ただ幸福な時間なのだ。  コントロールの効かない自分に、多少の不安を覚えたとしても……。                          END  子ども玲ちゃんに振り回される周防さんという、なんということのないお話でした(すみません)。  最後までお読みいただきありがとうございました。

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