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朝、目覚めたら 1

朝、いつもと同じ時間に目が覚めた。 カーテンの隙間からは月明かりが差し込み、まだ夜明けまでには時間があることがうかがえる。 あまり長時間の睡眠を必要としない体質なのか、昔からいつも同じような時間に目覚めて二度寝は殆どしない。 今までは特にやることもなく二度寝するほど眠くもならないし、かといって起きて活動するには早すぎる時間なので本でも読んだりしながら、なんて無駄な時間だと思って過ごしていたけれど、それも千秋と付き合いだしてからは一変した。 千秋は僕とは違い長時間の睡眠を必要とする方で、そして一度眠ってしまえば殆ど起きることはなく朝はギリギリまでよく寝ている。 だから千秋と一緒に眠った日は、時間の許す限り千秋が起きるまで寝顔を見ていたのだが、一緒に暮らすようになってからはそれが習慣となった。 起きている間でも表情豊かな千秋だけど、それは寝ている時も同じで笑ったり難しそうに眉間にしわを寄せたり、忙しく変わる表情にいったいどんな夢を見てるんだろうって想像するのがとても楽しい。 時折、寝言なんかも言ったりしてそれはどれを取ってもユニークなものだった。 そして今朝も千秋の隣で頬杖ついて寝顔を見ていた。 「しゅうへー、そんな、腹出してたらかぜひくぞ……」 今日も千秋はなにやら愉快な夢を見ているらしい。 僕が腹を出して寝ているのだろうか。 どんな夢なんだよって、想像したらおかしくなって声を出さないように笑いながら起こさないようにそっと髪を撫でた。 すると、擽ったかったのか身動いで僕の腕にすり寄ってくる。 そんな無防備な寝姿を見ながらその寝顔にそっとキスをした。

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