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修平くんが500円で何を買うのかを検証してみた。1
ある夜、修平が真剣な顔つきでパソコンに向かっていた。
最初はレポートの提出でも近いのかなって思っていたのだが、頬杖をつきながら画面を凝視しては時折マウスを動かしている様子からレポートではなさそうで……。
「何してるの?」
気になって声をかけてみると、俺の声に反応して修平が振り返る。
「通販サイト見てた」
「何か買うのか?」
「うん。ちょっと欲しいものがあって見てたんだけどね。見てたら他のアイテムも気になってきちゃってさ」
そう言いながら修平は画面を見ながらマウスを動かし続けている。
「欲しいもの、なかなか見つからないの?」
「いや、それはもう買ったんだけど、今はワンコインで何が買えるのかなって見てたんだ」
「ワンコインで?」
「うん。ワンコインで。千秋も一緒に見る?」
修平が手招きするので近寄れば俺の手を引いて自分の前に座らせた。
「ちょっと狭い」
「ここ座って一緒に見よう」
「いや、一つの椅子に二人で座るの無理があるだろ」
「大丈夫だって。僕のこと背もたれにしていいから」
「そう言われてもだな」
今、修平の股の間に挟まれるようにして一つの椅子に座っている状態で、修平の方に体を預ければなんとか座れるが、そうじゃなかったら半分椅子から落ちそうな感じがした。
「修平、やっぱ狭いって」
でも俺が立とうとすると、修平は腕を引いてまた俺を自分の前に座らせる。
「いいじゃん。千秋も一緒に500円で何が買えるか見ようよ」
そう言いながら修平がパソコンを操作すると後ろから抱きすくめられるみたいになって距離が近くなった。だから修平が何か喋るたびに耳元に息がかかってちょっとくすぐったい。
「ほら、これも500円以内なんだよ」
「え? どれがだよ」
妙な気恥ずかしさを感じつつ身をすくめながらも、ちょっと楽しい気もして少しワクワクしながら修平が指差した画面をのぞいてみると……そこには、思ってもなかったものが表示されていた。
「なっ、なんだこれ!」
「500円以内で買えそうなものだけど」
「いや、値段の話じゃねぇよ! 俺が言ってるのは内容の話だ!」
修平が見ているのは調理器具とか調味料とか本とかそういうのに違いないと思い込んでいたのだが、見ていたのはいわゆるアダルトグッズのページで、そこには色とりどりのあんなものやこんなものが並んでいるではないか。
「え? 何か問題あった?」
「問題大有りだろ!」
「別にいいだろう? 僕たち18歳以上なわけだし」
「そういう問題じゃねぇ!」
「だから500円までで何が買えるのかなって気になって」
「そんなの気にするな!」
すると修平は目を細めて笑った。
「別に買うとは言ってないのにどうしてそんなに怒るの? ……あ、想像しちゃった?」
クスクス笑う修平の息がまた耳にかかる。その瞬間、かっと自分の頬が熱くなったのを感じた。
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