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修平くんが500円で何を買うのかを検証してみた。4

** 次の日、修平宛の荷物が届いた。 インターホンの音で目が覚めた俺は、眠い目をこすりながらリビングに行くと、テーブルの上には昨日一緒に見てたショッピングサイトのロゴが入った箱が……。 その瞬間、眠気は吹っ飛んだ。 ま、まさか! 昨日、なにかを買ったのだろうか。何買ったって言うんだ! まさに開封しようとしている修平に慌てて声をかける。 「な、なにか買ったのか?」 「うん、昨日買ったんだ」 「き、きのう!?」 思わず声が裏返ってしまうけど修平は気にすることなく微笑みながらテープを剥いでいく。 「なに、買ったの?」 「シリコンのね……」 「シリコンっ!」 思わずシリコンに過剰反応してしまうと一瞬手を止めた修平だったが、またすぐにテープをはがしはじめた。 つか、シリコンのなんだ! それは真昼間から開けていいものなのか!? 「やっぱりお前、ここで開封するな! 開けるなら自分の部屋でしろ」 「どうして? ここで使うものなのに」 「はぁ!? なんでここで使うんだよ」 「いや、だってさ……」 そう言いながら修平が箱から出したのは……。 「新しいシリコンのパウンドケーキの型だよ」 「………………はぁ?」 「ちょうど新しいのが欲しかったんだ。いいのが見つかってよかったよ。これ500円なんだよ」 「シリコンってそれなのか?」 「うん」 「昨日、見てたのは?」 なにかを察したのか修平はクスッと笑った。 「千秋と見てた時にはもう買ってたよ。それにおもちゃは千秋がハマったら嫌だから買わないってことになっただろ」 「なんだよ! 紛らわしいんだよ!」 リビングに俺の怒声が響くも修平は笑っていて俺の顔を覗き込んだ。 「おもちゃ買ったのかと思った?」 「紛らわしいお前が悪い」 「そんなにシリコン製のおもちゃが欲しかったの?」 「そんなこと言ってない」 「そんなに欲しいなら考えなきゃだめかな。僕、嫉妬しちゃう小さい男なんだよね」 「いらねぇーって言ってるだろ!」 そんなこんなで、それからもしばらくは不機嫌な俺だったが、修平が買ったばかりのシリコン型を使って俺の好きなものがいっぱい入ったパウンドケーキを作ってくれたから……。 今日のところはパウンドケーキに免じて許してやることにした。 《修平くんが500円で何を買うのかを検証してみた。・終》

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