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ヒメハジメ 1
毎年、正月には実家に帰ってそれぞれ過ごしていたのだが、今年は実家には帰らずに二人でゆっくりと過ごすことにした。
はじめての二人だけの年越しだから張り切ってカウントダウンなんかして、新年になったと同時に最初のキスとかもした。
そしてそのちょっと浮かれた気分のまま近くの神社に二人で初詣にも行って、歌番組を観ながら眠くなったから昨日はそのまま寝たんだっけ……。
そんなことを思いながらまだ夢の中にいると唇に柔らかいものが触れた気がする。
そしてしばらくすると、なんだか下半身がモゾモゾするような変な感覚がして、でもそれがなんだか気持ち良くて目を覚ますと…───。
布団の中で何かがうごめいた。
「え、な、なに?」
こんもりと盛り上がった布団を捲り上げるとそこには。
「おはよう、ちあき」
「しゅ、修平っ!」
昨日、ちゃんと服を着て寝ていたはずなのに今は何故か真っ裸にされ、俺のモノを同じく真っ裸の修平に咥えられていた。
「な、何してんだよ!」
「何って、したくなったから」
そういうと修平はジュポジュポと音を立てながら俺のを更に強く扱きながら吸い上げる。
「あっ、あぁぁ……しゅうへ……ッ……」
ねっとりと舐め上げられ口を離すと舌先が糸を引き、修平は目を細めた。
「ねぇ、千秋。姫はじめって知ってる?」
「ヒメハジメ?」
「そう、新年に初めてセックスすること」
そう言いながら俺を組み敷き優しくキスすると、そのキスはどんどん深いものになっていってその気持ち良さに次第に吐息混じりの声が漏れはじめた。
「んっ……ンッ……」
そしてゆっくりと修平が唇を離すと、妖艶な眼差しで少しだけ悲しそうに微笑んだ。
「千秋、今までごめんね」
「な、なにが?」
ぼんやりとした頭で一生懸命考えるも修平が何に対して謝っているのかがわからない。
何か謝られるようなことがあったかなって、首をかしげていると修平は俺の顔を撫でながら続けた。
「悪かったなと思って。僕の都合だけでずっと童貞でごめんね」
まだ寝起きの俺の頭は混乱していた。
今、修平は何を言っているんだろう?
そんな混乱している俺をよそに修平が俺の手を引いて、その指先にキスを落とす。
そして耳を疑うような言葉を放った。
「童貞、捨てさせてあげるよ」
その瞬間、ハッとしたけど混乱したまま目をパチパチさせるのがやっとで驚きすぎて声が出ない。
え、え!? えぇ!? えええ!!!
それってどういうこと!?
驚いたまま固まっている俺をみて、修平は柔らかく微笑んだ。
「大丈夫。全部、僕がやってあげるからね」
いやいや、やってあげるとかそういうことではなくて!
焦る俺のことなど気にもせず、修平は微笑みながら体を起こした。
待って! 待って! 待って!
心の準備がぁぁぁぁ!!!!
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