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ポッキーの日 2

なんか一人焦ってバカみたいだと落ち込むも、ゲームじゃないならと安心した俺はポッキーの箱に手を伸ばす。 すると、修平がまた一本取り出して俺に差し出してくれたからそれを貰おうとすると、何故か反対の手でその手を掴まれた。 「手、なんで? 離してくれないと食えないじゃん」 「僕が持ってるのをそのまま食べて」 「なんでだよ!」 すると修平は表情を緩めると、持っていたポッキーで俺の唇を軽くつついた。 「僕が食べさせてあげたいから」 「自分で食べれるし」 「僕が食べさせてあげる」 しばらくこの押し問答は続いたが、頑なに譲らないにっこり微笑む修平の圧はとても強くて、押しに負けぽりぽりと修平が持っているポッキーを食べたら、修平は嬉しそうに目を細めた。 「……なんだよ。そんなに楽しいのかよ」 「千秋の食べてるところを見るのが好きなんだ」 「もう満足しただろ。あとは自分で食うから」 満足そうに笑っている修平に呆れながらまた箱に手を伸ばすと、今度は俺の事をソファに押し倒してきて俺にポッキーを咥えさせた。 「今度はなんだよっ!」 突然組み敷かれて、今度はポッキーを咥えさせられて焦っていると、見上げた修平がにっこりと微笑み顔を近づけてくる。 「今度は僕が食べる」 「ま、待て! 自分で食えって!」 俺が暴れるのなんて物ともせず、修平は俺に咥えさせたままのポッキーを食べ進めていく。 (待て! これってまさにポッキーゲームの状況じゃねぇか!!!) 気付いたときにはもう俺たちの間のポッキーも僅かで、食べ切ってしまえばそれは甘いチョコ味のキスに変わっていく。 「……んっ」 ぺろりと修平が俺の唇を舐めるとまた優しく微笑んだ。 「千秋甘いね」 「それはチョコの味だろっ! って、っ……んっ」 反論した途端にまた甘いキスで塞がれて、その甘い舌に翻弄されて体の力が抜けていく。 そんなキスを繰り返されてしまえば、どうなってしまうかなんて決まっていて。 「千秋も、もう一本食べる?」 その夜はポッキーの数だけキスしたから、ずっとずっと甘い夜になった。 《ポッキーの日・終》

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