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第5話

「ミカオ…… キレイだよ。こういうスッキリしたデザインが似合うと思ってたんだ!」 観音開きのスイートのドアを開けて、オレを見るなり(たくみ)が感嘆の声をあげた。招き入れられた広いリビングでは、比呂(ひろ)が出迎えてくれた。 正装の2人は、すごくカッコいい。そして、全身から幸せが滲み出るようだった。 「こんな無茶振り、聞いてくれるのミカオしかいないよ。本当にありがとう」 匠がそう言うと、比呂が微笑みながら首肯した。 「おまえらホント無茶苦茶だよな。オレの分まで全部(カネ)払って、こんなドレスまで…… 」 「雰囲気が大事なんだ。今日だけは」 「初夜にはウェディングドレスがなきゃ、ね。すぐ脱がしてあげるから、もうちょっと我慢して?」 そんなふうに言うなら、どっちかがドレスを着ればいいのに。でもそれができない2人なんだって、オレはもうわかってる。 できない、じゃなくて、しない、かな。 2人ともが、対等に男でいたいんだ。どっちかが女役になったりしない。したくないし、させたくない。それがきっと、これからもずっと、2人のかたち。 オレは2人が好きだから、そうやって2人が対等でいることを手伝えるなら、今はそれが嬉しいって思う。 だから女役は全部、オレが引き受ける。 たとえ求められているのが身体だけでも、それがオレたち3人のかたちだから。 「ここ、剃ったんだね。自分でやったの?」 オレの脇に舌を這わせながら、匠が聞く。目ざとい匠に腕を上げさせられたオレは、女みたいにツルツルになった脇を舐め上げられた。 「そうした方がいいって言われて、さっき自分で…… んっ!」 背中の紐を解いていた比呂が、首筋に吸い付く。ドレスの隙間から差し込まれた手に、胸をまさぐられた。 「いいね、興奮する」 そう言った匠が、舌先を硬くして脇を舐める。恥ずかしさとくすぐったさで、オレは下腹がむずむずした。 「比呂、全部脱がさないで。せっかくのドレスだから、このまましよう?」 匠にそう言われた比呂は、乳首をつまんでいた手をするりと下ろし、オレのドレスの裾を少しずつたくし上げた。 光沢のある白い生地が、太腿までまくられる。もうちょっとで下着が見えるギリギリのところで、匠の手が比呂を止めた。その手をそのまま裾から滑り込ませ、下着の上からオレのを触る。 「いいね。ちゃんと、下着も履いてくれたんだ?」 手触りを確かめるように、匠の指がそこを撫で回した。 「おまえが、あ…… っ、変態みたいな下着、用意してたから…… っ」 ドレスと一緒に部屋に届けられた下着は、総レースでTバックの、隠すものも隠せないような代物だった。 「下着選んだのは、比呂だよ」 ニヤニヤと笑いながら、匠が言う。選んだ本人だという比呂が、ドレスの裾から手を潜り込ませ、紐でしか隠れてないオレの尻を揉んだ。 匠に優しく触られて前が勃ち上がったせいで、紐が割れ目に食い込む。比呂が揉みしだくたびにそれが擦れて、孔がせつなくわなないた。 「ミカオの先っぽ、下着からはみ出しちゃったね。腰も揺れてるけど…… もう、欲しいの?」 紐を押し込むように、比呂の太い指が下着の上から入り口を撫でる。もっと奥にも刺激が欲しくて、オレは前後にいる2人の股間に手を伸ばした。堅苦しいスラックスに隠されたそこは、2人とも熱く滾ってる。 「今日はどっちから、挿れる?」 服の上から撫で上げながらそう誘うと、匠が額にキスを降らせた。 「花嫁の純潔は、俺がもらい受けましょう」

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