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第52話 医務室にて 6

「オ、オメガ? なんで……!?」 「そう。……あ、本間君!」 迫って来ていたかいちゃんの綺麗な容姿はサッと除けられて離れた。その間、俺じゃない名前を呼んだから驚いた。俺の普通メンの容姿に耐えられなかったのかとは思いたくない。 「本間君、まだ動いちゃ駄目だからね」 「いえ…もう行かなくちゃ鷹見先生、ありがとうございます」 ベッドから聞こえて来たその声は休んでいた生徒のようで、かいちゃんの方に顔を向けて立ち上がった。 その顔っていうか見て吃驚して、喉から出そうになった声が引っ込んだ。 顔に擦り傷、制服はシャツだけで制服のズボンを履くようにして足を通してる。シャツからは肌がはだけてて…ちらっと見える男の乳首なんて珍しくないのに、なんか生々しいのは何でだろ……気怠さ100パーで顔色だって悪いし疲れてるような感じだ。 風邪…とかじゃない気がしないのはなんとなくだ。 「本田君……それじゃ寮の方に戻って休まないと駄目だよ。まだ体力は戻っていないようだしね」 本田君と言う人はフルフルと頭を振っている。 そういえば、今は何時間目になってるんだろう? 職員室に行かないと自分のクラスもわからない。…って転校生遅いなって待ちくたびれて口からトグロを巻いてるかもしれない。 ヤバヤバヤバめ。 「それじゃ薬は飲んで。特別に体調に合わない人用に調合しているからね」 「東条先生の……合わなかった。吐き気…もう嫌だ」 「うん。だから僕が勉強して調合師の資格を取ったから、心配ないよ…ねぇ、瀬那君?」 え? 突然、俺に振る!?

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