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第4話
結人side
首輪をつけているだけで、差別され友達なんて一人も出来ず。相談に乗ってくれる人も、優しくしてくれる人もいない…。
「ねぇ、俺の恋人にならない?」
「……えっと…。僕、男…」
「それは見て分かるよ?」
まるで "何言っての?馬鹿なの?" みたいな言い方をされた…。いきなり、兄だと言われた人に恋人なんて言われても、信用できない。
それに恋人なんていいながら、性処理の為だけに使われる…。みんなそうだったから…。
「兄弟なのは世間的には良くないんだろうけど、問題ないでしょ?」
「……あの…、えっと……」
「恋人じゃ不満?」
「いえ、…うれし、です……」
…でも、αに逆らっても、いいことなんてない。なら大人しく言うことを聞いている方がマシだと、散々思い知らされて来た。
ここでも結局、僕は性処理役なんだ…。分かってた。分かってたけど…。やっぱり虚しい……。
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