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第7話

あぁ、またあの夢だ 優しげに細められた茶色の眼 引き締まった肉体 長い指が僕をなぞっていく 『はぁっはっはっはっはっはぁっん』 「ん?」 「おはようございます」 「へっ?おはよう......ございます。あの?」 「倒れられたの覚えておいでですか?」 あ、そうだった 倒れたんだ僕......でも、どこも痛くない 「あっ、助けてくださってありがとうございます。なんて、お礼したらいいか......あのっ」 たぶんこの時の僕は、おかしかったんだ 焦っていて思考がマトモにはたらいてなかったんだ 普段なら言わないようなことを口走ったのだから 『ハジメテをもらってくれませんか』 なんて

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