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第12話

不安だった 僕はずっと......誰かに ......いや、この人だからこうして抱き締めて安心させてもらいたかったのかもしれない 僕は物心ついたときから独りだった 両親の顔なんて覚えていない 親戚の家をたらい回しにされて最後は、施設に預けられた なんとか奨学金やΩ性学習奨励制度を利用してここまできた こうして手を差しのべてくれて安心を与えてくれる人なんて居なかった いや、はね除けていたんだ無意識に 「望月先生、ありがとう」 そのまま先生がお休みの間は、家に居てくれて 気づいたら、先生の家にいた 「きっ今日からお世話になります」 「こちらこそ」 なんで、こうなった......僕!

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