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第46話+α
有名な観光地で行われた学会は、思いの外あっさりしたものだった
ダメだ......なおに会いたい
『ゆっくりしてきて下さいね』
なんて言われたのだけれど......
やっぱり帰ろう今日の新幹線で
コーヒー缶片手にそんな事を考える
「望月君!」
ふと、視線をあげると......前髪が短いストレート髪の女性がたっている
馴れ馴れしい呼び方......知り合いか?
「あぁ、どうも」
「も~忘れてるでしょ。原田よ原田明海」
忘れる以前に覚えた覚えがない
「ごめん。知らない」
ニコッと笑ってそう言うと一瞬瞳が傷ついた色をまとう
「そう......私ね。子供がいるのよ、8歳の。父親はね、あなたなの。可愛いくて頭もいい」
「......ごめん。言ってる意味がわからない」
写真あるの、と差し出されたものにはちょっとポッチャリした男の子
「何が目的?お金にでも困ってるの?」
「えっ......いや、望月君の子供!なんかあるでしょ?」
「いや、なにもない。それじゃ、失礼」
「まって!」
よびとめる声が聞こえたが、これ以上話すのが面倒でその場を離れた
......なおに会いたい
新幹線で予定より早く帰ってくると家は、真っ暗
寝室から聞こえてくる小さな音に吸い寄せられてドアを開けると
開いたままのクローゼットとベッドの盛り
ふっ......ふぅ......ひっ
小さな塊は小刻みに動いているようにも見える
「なお?」
塊に声をかけた
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