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第56話

マンションの郵便受けに入っていたということは、自宅を知られているということだ 伊織に電話しようと思ったけど僕は、文に電話をかけた “もしもーし、なお?なにかあった?” “え?なんで?” “ははっ、なおが電話なんて珍しいもん” “そっか、ほんとだね。あのさちょっと怖くて” 今朝の出来事を簡単に話す “ほー、じゃあどうする?どっかで待ち合わせする?” “あの、マンションまで来てくれる?” “うん、銀行で支払い済ませてからでいい?” “うん、ありがとう” “手作りクッキーでいいよ” “うん。用意して待ってる” “やった!じゃね!” “また、あとでね” 文と電話で話すと少し気分が楽になった やっぱり、持つべきものはいい友だ あ、クッキー生地常温に戻さなきゃ

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