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第59話+α
樫渚の家に着いたはいいものの、なおが動けない
「なお、大丈夫ですか?」
「はっ、はいっ。いたっ!」
昨日無理をさせ過ぎたか......
「なお、許して下さいね」
「えっ、あっや!だっだめですよっ!失礼ですから、降ろしてください」
「でも、なおを待つと日が暮れます」
「うっ......」
車を降りて玄関へ行こうとしていると向こうの道から見馴れた影が近づいてきた
「あらっ!伊織じゃない?あ!この子が!?そうなのね!?伊織!でかしたじゃない!きゃーっ、可愛い。美人さ~ん」
マシンガンのように喋り出したこの女性は、望月家当主夫人望月香織私の母である
なおが慌てて私の腕から飛び出して身だしなみを整えて挨拶する
「あっ、あの!息子さんとっおっお付き合いさせていただいております、片桐なおです!」
ガバッと土下座しそうな勢いで腰を折る
「顔を上げて?伊織の母の香織です。香織さんって呼んでね?なおちゃん」
「はっ、はいっ。......かおりさん」
なおがやや母に圧倒されて素直に頷く
「母さん、父さん達は?」
「もう、居ますよ。秀人さんなんて、もう3日前からそわそわしてるのよ~。ささっ、なおちゃん入って~」
「おじゃまします」
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