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「それが翌年変わった。俺たちの関係は変わらなかったんだけど…」
「翌年?」
「桐が入学してきた」
「桐さん?」
「俺は誰とも付き合ってないってみんなに伝えてた。だから桐は知らなかったんだと思う。俺が好きなのは彼だってこと」
「…そこから好みが」
「そゆこと…彼にとって俺は丁度いい遊び相手。従順な只の犬」
「そんな言い方…」
「別れは突然切り出された。まぁ元々彼の中で俺は恋人ではなかったんだけどね。
好きな人が出来てその人と付き合うことになったから終わりにしようって言われた
…俺は必死で抵抗したけど彼のまっすぐな瞳を見てると強く言えなくなった。暫くはね引き摺ってた。その後は誰かと遊ぶ気も失せた。もて余した熱の放出の仕方もあの人に教えられてわかったしね。そして…暫くして…見てしまった…学校の空き教室…俺と逢瀬を重ねていた場所で絡み合う姿…その相手が桐だった。俺には一度も言ってくれたことのない愛の言葉を囁き幸せそうに腰を振って…桐もそれに答えてた…正直苦しかった…でもあんなに愛おしそうに求め合う二人見てたら…なんか応援したくなった。でも付き合いは長くは続かなかったみたいだけど。そのあとは桐は休み時間の度に俺のとこに来た。そしてそれからまた暫くして傷は癒えて俺にまた好きな人ができた」
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