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おまけ*翌朝のできごと
眩い光に何度か瞬きをしたあと、オレは両腕を思いきり頭上に伸ばした。
「んんっ……! ふぅ……」
大きく息を吐きながら、ゆっくりと起き上がってみる。
「もう全然、きつくないや……」
全身のだるさも、節々の痛みも、夜の間にどこかへと消えてしまったみたいだ。
絶対に、奏ちゃんのリンゴとちゅーのおかげに違いない。
オレは隣で眠っている奏ちゃんに視線を落とした。カーテンの隙間から入る一筋の光が、奏ちゃんの睫毛の先でキラキラと躍っている。
「奏ちゃん……」
しばらくその綺麗な寝顔に見惚れていると、ふと奏ちゃんが目を覚ます。
「ん……? 航? 起きたのか?」
「うん! 体、もう全然平気だよ? 全部奏ちゃんのおかげだよ」
笑顔でそう言ったけど、奏ちゃんは起き上がりながら疑り深い眼差しを向けてくる。
「また無理してんじゃねぇだろうな?」
「ほんとにもう平気だよ!」
唇を尖らせると、奏ちゃんはオレの額に自分の額をくっつけてきた。
「ね? 大丈夫だろ?」
間近に迫った奏ちゃんの瞳を上目遣いに覗き込む。
「ん、ま、熱は下がったみたいだな」
奏ちゃんがやっと安堵した息を吐く。そんな奏ちゃんの様子を見ていると、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「昨日は、ほんとごめんね、色々迷惑かけちゃっ……んっ」
だけどオレの謝罪は奏ちゃんの唇に呑み込まれてしまった。
「ん……っ、んんっ」
大きな手のひらで後頭部を支えられ、合わさった唇の角度が深くなる。入り込んできた厚い舌に、容赦なく口内を掻き回された。オレの舌を、歯を、上顎を、奏ちゃんの熱い舌先がくまなく蹂躙していく。息もできないくらいに荒々しいキスをしながら、奏ちゃんはオレの体をベッドに押し戻した。
「悪ぃ、航、もう我慢できねぇ」
やっと唇を離した奏ちゃんは辛そうに眉根を寄せてオレを見下ろした。
「奏ちゃん……」
奏ちゃんに求められる悦びで、オレの胸は打ち震えた。
「オ、オレも、奏ちゃんとしたいっ!」
腕を伸ばして奏ちゃんの首元に絡ませると、その唇を引き寄せる。
「ん、ふっ……ん……」
奏ちゃんの唇を割り、縋るように舌を絡めた。呑み込み切れない唾液が口端から垂れていく。
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