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「ほら」
待ちきれないといった微かな苛立ちの含まれた声に催促された。
……少し、こわい。
だけど、奏ちゃんの熱を呑み込んだときの快感を思って、ゴクリと喉が鳴った。
「う、うん。やってみる」
奏ちゃんの両肩に恐る恐る腕を載せる。腰を浮かせて、解されたそこを奏ちゃんの屹立の先端にあてがった。
「あっ!」
「……ん」
オレと奏ちゃんが同時に声を漏らす。ゆっくりと腰を下ろしいき、奏ちゃんを呑み込んでいく。 硬くて太い熱がオレの中を押し広げ、じわじわと突き進んでいった。
「ああっ、奏、ちゃん……っ!」
堪らず天を仰ぎながら、奏ちゃんの首にしがみついた。
「全部、入ったか?」
「うん……っ!」
荒い息を吐きつつなんとか頷くと、奏ちゃんが頬を撫でてくれる。
「よし、じゃ、動け」
「えっ」
「ほら、早く」
奏ちゃんに急かされるまま、腰を上げる。
「ああんっ!」
ずる、と中が熱塊に擦られた。そこで動けなくなってしまったオレの腰を奏ちゃんの大きな手ががっしりと掴んだ。そして屹立に向かって無理やりオレを引き下ろしていく。
「ああああっ」
一度奥まで沈められると、今度は逞しい腕で何度も上下に動かされた。
「あん、あ、あんっ」
オレの体を動かすたび、奏ちゃんの二の腕の筋肉が隆起する。はじめはきつかったけれど、オレの中と奏ちゃんの茎が次第に馴染んできて、快感ばかりが腰の奥から湧いてきた。
「航」
こめかみに汗を浮かべた奏ちゃんが突然手を離した。
「自分で気持ちいいとこに当てて、よがってるとこ、オレに見せろよ」
獣のような鋭い眼光に見据えられ、僅かに残っていたオレの理性が焼き切れた。
「うん……っ、あ」
オレは奏ちゃんの首筋にしがみついたまま自ら腰を動かし、中を擦る奏ちゃんの茎の感触に感じ入る。腹に付かんばかりに勃ち上がっているオレの茎の切っ先からは、透明な蜜が、奏ちゃんへの想いのように、これでもかと溢れては流れ落ちていく。
「あ、あああん、奏ちゃんの大きいの、当たるっ」
「ああ、いいな、その顔」
息の上がった低い声に耳元で囁かれ、思わずぶるりと体を震わせた。
「すごい、感じるっ、奏ちゃん、オレ、も、だめ……っ」
「はえーな、おい」
悪態を吐きながらも奏ちゃんも切羽詰まった表情でオレをベッドに押し倒した。
覆い被さった奏ちゃんがすぐに激しい抽送を始める。奏ちゃんの熱塊がオレの内臓を突き上げ、襞を抉る。
「あんっ! あああっ、あんっ、や……っ!」
「くくっ、おまえの喘ぎ声、すげー、くる」
「あ、あっ、奏ちゃん……、好き、すごい好き……っ」
うわごとのようにオレの口から想いが溢れた。こんなに大好きなのに、言葉にしないなんて絶対無理だ。
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