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日差しは弱まり、時折涼しい風が吹く、過ごしやすい日々が続いています。      * 僕は晩ご飯の支度を済ませると、全身を写す鏡の前で自分の姿を見つめ、困惑に眉根を寄せた。 「これで、いいんだよな……?」 そして、不安げな声で呟く。 先ほど、笹川君から駅に着いたというメールが届いていた。 キッチンを落ち着きなくうろうろと歩いていると、『ピンポン』と呼び鈴が鳴り、急いで玄関の扉を開ける。 「いらっしゃい、笹川君。そして、お誕生日おめでとう」 「あ、ありが……」 飛び切りの笑顔で僕を見た笹川君の瞳が、すぐさま驚愕に見開かれる。 「す、優さん!? そ、その格好……」 「え、だってプレゼントはこれがいいって、君が言っただろ? だから……」 僕は顔を俯けてエプロンの裾を持ち上げると、改めて自分の姿を眺める。 「ああっ、裾、上げないでくださいっ!」 「え?」 笹川君の焦った声に、慌ててエプロンから手を離した。 僕の今の格好は、いつも料理をするときに使う青色のエプロンを裸の上に着ただけだ。 何故か笹川君はこんな姿の僕が見たいと日頃から言い続けていた。そして誕生日だけでいいからと懇願されたので、今日はこの姿で笹川君を待っていたのだ。 「見たならもういいよな? 僕、服着るから早くご飯食べよ……」 言いながら居間に戻りかけた僕を、笹川君はいきなり後ろから抱きすくめた。 「優さん、ありがとうございます。まさか本当に裸エプロンやってくれるなんて……。俺、すげー嬉しいっす」 「君がそんなに喜んでくれるのなら、やってよかったよ」 笹川君の弾んだ声音に安堵の息を吐くと、僕を抱き締める逞しい腕を優しく撫でた。 「……で、俺、今すぐ優さんを食べたいんすけど」 「え、だめだよ、晩ご飯が冷めちゃうだろ」 抵抗するように身を捩るが、笹川君は腕を離してくれない。 「こんないやらしい格好の優さんを、スルーなんてできないっすよ……」 笹川君は片手を離し、ネクタイを緩め始める。 「だって、ここ、まだキッチン……」 「すんません、俺、我慢できないっす」 僕の言葉を遮り、切羽詰まった声でそう言うと、笹川君は解いたネクタイを床に落とした。そしてエプロンの上から僕の胸元を擦る。その指先は、簡単に僕の胸の先端を探り当ててしまう。 「あ……ん」 軽く触れられただけで僕は甘い声を漏らしてしまった。全裸に近い恰好が熱を煽るのだろうか。

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