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第1話

僕の腕に蛇が登って来た。 チロチロと舌を出して腕を舐め回す。 猫の舌のようにザラリとしている。 蛇はいつの間にか猫になり。 猫はいつの間にか蛇に戻る。 気づいたら舌が乳首を舐めて蛇の身体が僕の身体に巻きついてる。 「つ…っ、あ…」 蛇の先端が自分の反り返ったソコに強く絡みつく。 敏感になった身体を舐め回す蛇。 否、蛇ではない。 男だ。 「はッ…やめ、ろ…」 男は自分の拒絶する声に反応してニヤリと笑う。 まるで爬虫類(はちゅうるい)の顔だ。 「気持ちイイんだろ?やめて辛くなるのはお前だろ」 「ひっ…あ、あっ!」 ソレを手で強く握られて、仰け反る身体。 目の前が赤く染まっていく。 赤い部屋が二人を照らす。 「も、やだ…、早く…」 一刻も早く、早く解放して欲しい。 羞恥心など捨ててしまえば、希望は叶えられるのだろうか 「どうなりたい…ッ、なあ?」 男が耳元で囁く。 甘い声ではない、サディストな支配者の声。 あぁそれでも良い。 何でもいいから。 「イキたい…ッ!頼むからイカせて…!」 その言葉を聞くや否や、男は声を出して笑う。 そして僕の髪を掴んでこう宣言する。 「今日3回目だな。何回でもイカせてやる」 僕はもう、抗うことなくこの爬虫類の男にしがみつくしかない。 辺りは紅く染まって、壁には紅い花。 「あっ!あ、あ、あッ、も、イク…ッ!」 ビクンと身体が跳ねて僕は初めて他人からの刺激でソレを辺りにぶちまけた。 目の前に雷が落ちて焦げた匂いが鼻に付く。 笑いながら男は更にイッたばかりのソレを手で弄ぶ。 「まだまだ、…覚悟しろよ」 口から見えた舌の先端が、蛇のように二股に分かれていた。

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