7 / 15

第7話(帝)

「海、君は結婚しないのか?」 「えっ、私ですか。私は・・」 私は海の事が気になっていた。 正武官に任命したあの日から 海の虜だ。 正真正銘男だという事は分かっている。 しかし、思いは伝えなくとも傍に 居て欲しい。そう思った私は 彼を専属師にしたのだ。 「わ、私はまだ好きになった 方がいないため、まだ 結婚はしません」 照れながら話す海はとても可愛く 愛しいく思う。このような 気持ちは初めてだった。 「そうか、そうか。なら当分 専属師は任せられる」 専属師は結婚すると引退する のが決まりだ。 もし仮に好いている相手がいれば 私はその娘をこの都から 追い出すかもしれない。 目の前で微笑んでいる彼は 私が恐ろしい事を考えている とは思ってもいないだろう。

ともだちにシェアしよう!