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肌寒さに目が覚めて、もぞもぞと暖かい方へ移動する。いつも暖かいおにーさんの体にむぎゅっと抱きついて、違和感に気づく。俺もおにーさんも裸のままだ。 夜はちゃんとパジャマを着て……あれ? 確か昨日はお酒を買って、おつまみを作ってくれて2人で晩酌的なものをしたんだよね。そしたら俺、なんかムラムラしてるのに勃たなくて、なのに気持ちよくて大変だった。いやでもそんなことより…………。 おにーさん、いってたっけ………? 「誠?」 ええ!?もう起きてたの!? どうしよう、俺やらかした!? 「お、はよ。おにーさん」 「その感じじゃ自分が何したか分かってんだな」 「ふああ!やっぱりおにーさんいってなかった?」 「そう、どっかの誰かさんがスヤスヤ寝始めるなんて思わねえよ。辛いだろうなと待ってやったのに酷い仕打ちだなあ?」 「ごめ、ごめんなさいっ!そんなつもりじゃ無くてっ、あのぉ」 「お仕置きだな」 やだ!やだやだ! さっき抱きついた体から逃げようとするとお尻を掴まれてグッとおにーさんに密着する。俺もおにーさんも男だし、寝起きの朝。お互いに硬くなったものがぶつかった。 おにーさんは酒も抜けたみたいだしちょうどいいななんていう。なにが!?なにがどうちょうどいいの!? 「な、なにするの?」 「やられたことをやり返すんだよ。だから今日はお前がいけない。せっかく勃ったのに可哀想だな」 言葉と顔が一致してないよ! 顔は全然可哀想って感じじゃない。良くて自業自得、悪くてざまあみろって感じだから! いやいやと首を振る俺を置いて、おにーさんは何か探す。 「おにーさん、何探してるの?」 「縛るもの。体ならリードでいいけど、そこにリードはデカすぎ。輪ゴムでいい?」 「縛らないって選択肢をちょおだい!」 「あるわけねえだろ」 「ひいい!鬼畜!鬼!悪魔!」 なんとでも言えと言って輪ゴム片手に俺の体に乗ってくる。やだやだと手でおちんちんを隠してみたけど、おにーさんに誠って優しく呼ばれて、おずおずと手を退かせた俺は本当に躾が行き届いていると思う。 おにーさんは俺のおちんちんを持って、輪ゴムをつける。 「痛ぁ!おにーさん!痛いよ!?」 「だろうな」 「まっ、ひうッ、やっ!」 そのままじゃ緩いから輪ゴムを二重に巻かれ、それだけで普通に痛いのにおにーさんはその輪ゴムを根元にどんどん下げていく。輪ゴムがキツくて痛いし、そんなのを下ろされるもんだからそれも当然痛いしで俺はのたうちまわる。そんな俺を楽しそうに見下ろしたおにーさんはやっぱり悪魔だと思う。 「さてと、頑張れよ」 「な、にを?」 「かなりきついだろ」 「うんっ」 「30分くらいかな」 なにが?とおにーさんを見返すと、あんまりこのままにしておくと外してからも勃起、というか血流的に良くないらしい。まあそりゃそうだ、人の体は血が巡ってるのに明らかに止めてる。こんなのが体にいいはずはない。 「俺がいくまで取ってやんねえよ」 「鬼畜の所業だあ!鬼!悪魔あ!」 「好きに言え。ほら、足広げろ。早くしねえと時間だけが経つぞ」 ぐずぐず泣きそうになりながら、足を広げる。 あんまりこのまま放っておくとやばいからなのか、おにーさんは余計なことはしない。いくら昨日の夜してたとは言え数時間は前だからきちんと慣らしてくれるらしい。 ローションに濡れた指がプツと一本入ってきて、おにーさんはいい具合と顔を緩める。くちゅくちゅ入り口を広げて、いつもより早いペースで指を増やされる。 「い、やあっ!おにー、さん!輪ゴムぅ、とってえ!」 「俺がいったらな」 「ひうっ、いああっ!」 昨日みたいに勃たないならまだしも、集まろうとしたものを遮るそれに膨らむことさえ邪魔される。それでも膨らもうとする俺の性器はどんどん輪ゴムに締め付けられてその痛みと中からやってくる気持ち良さにおかしくなりそうだった。 「出そうとパクパク必死だな。可愛い」 「ひあっ!痛あっ!あっ、んんっ!」 溜まった熱が出口を求めてるのに輪ゴムのせいでどうにもならない。それでも吐き出そうと必死な俺のおちんちんを可愛いなんて言って、そこに爪を立てる。可愛がってない!なんて文句は出ずに出てくるのは悲鳴に似た喘ぐ声と、許しての言葉だった。 出せない俺のものを口に含んで、吸い上げる。出せないのを分かっていてそんなことしてるんだから、本当に本当に本っ当に性格が悪い。 「ひあっ、あっ、痛ぁっ、あっ、んんっ」 「もお、やあっ!いやぁっ、入れてえっ、おにーさん、俺の中でいってえっ、いかせてえっ」 「嫌」 鬼いいい!悪魔! 酷いっ、時間ギリギリ楽しむつもりなんだ!本当に性格悪いよ!いくらお仕置きだとしても酷すぎるっ! 「まだ俺は入れねえけど、いきたいならいけばいい」 「ふ、え?ひあっ、あっ、んぅッ」 増えた指で俺のいいところを摘むように遊びながら、俺のものを擦る。出したいのに出せない気持ち良さに、綿棒を入れた日を思い出す。これと同じような快感があった。 でも、あの時の方がもっと暴力的で、刺激的な快感があった。同じ出せない、出さずにいくでも、あの時は中を擦られて射精に似た快感が絶え間なく俺を襲って、たまんなかった。 「ひぅ、いやああっ、いやぁ、やあっ」 そんなことを思ったバカな自分に涙が出て、いやいやと善がって、出さずにいった。昨日これで寝たからなのか、おにーさんは絶え間なく俺の体のどこかを吸ったり噛んだりしていて、それさえも気持ちがいい。

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