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130.
ずるっとおにーさんの性器が口の中から出て行き、息苦しさがなくなった。俺は呆然と座ったまま、自分の性器に目をやる。
どう見ても精液を出してる。オナホがあったから、とか手で擦ったからとかじゃなく、おにーさんに少し酷いことをされて堪らなく興奮したからだ。あんなの、一歩間違えればイラマチオかも知れないことをされて嫌がるどころかいくなんてと信じられない気持ちでいっぱいだ。
「誠?」
「おにーさん」
「どうした?」
「………おれ、変態かも知れない」
「ぶっ、ははっ、そうだな。口ん中に突っ込まれていくんだもんなあ」
その通りだ。あんなの俺が擦ってたからいったんじゃなくて、おにーさんにされてる行為に興奮していったようなもんだ。手は完全におまけだった。
おにーさんは俺を抱き上げ、ベッドに転がして汚れた体を拭いてくれる。されるがままの俺の性器からおもちゃを取って、これいる?と聞かれてふるふる首を振った。
そんなことよりもぎゅって抱きしめて欲しくて手を伸ばすとちゃんと分かってくれたおにーさんもベッドに転がって抱きしめてくれる。俺の足の間に入ってきた足は、ちょっと意地悪なことをしてくるけど今の俺はこのくらいじゃおっきしない。
「満足した?」
「うん」
「つくづくバカだな」
「あんまし言わないで。これは俺もやばいと思ってる」
そうか?なんて聞かれるけどそうでしょ。
続きしないの?って思ってた気持ちなんかどっかに行って、あんなことされて精液飲まされて満たされてる。
「穂高さんは満足した?」
「かなり」
それなら良かったとグリグリ頭を擦り付けると、あんなんされてオナニー始めるとは思わなかったけどって意地悪な声で言ってくる。自分でもまさかだよ。
さらにまさかなのは、またしてねなんて気づいたらねだっていたことで、おにーさんはいい子って優しい声で言ってくれた。
日の高いうちからちょっとアレなことをしたけど、おにーさんと俺の休みは変わりない。服を着てリビングに行くと俺はやっぱりゲームをしていたし、おにーさんはそんな俺を眺めていたり本を読んだりと好きなことをしている。
テレビ画面に映るゲームオーバーを見るのは何度目か分からなくて、コントローラーを手放してソファに凭れかかる。おにーさんを見上げると温泉と書かれた旅行本を読んでいた。
「穂高さん、温泉行くの?」
「お前もな。休み取れるか?」
「残業頑張る!」
「悪ぃな」
「いいよ。今度も旅館?」
「そのつもり」
「貸切風呂あるところにしてね」
俺、大浴場に行ける体してないもん。おにーさんは少し考え込んで、しばらくやめようかと言ってくれた。剃るのをやめてくれたらそりゃ伸びるけど、残念なほどに伸びるのが遅い。間に合うかどうか分かんないけど、せっかくだし今度は大浴場の露天風呂にも入りたいと頷いた。
「また3月忙しいの?」
「ああ。その休養」
「そっかぁ。俺、何か手伝える?」
「忙しくてもお前より遅くはならねえよ」
そうなの!?
いや、うん、それならその方がいいんだけど。そっかあ、おにーさんまた忙しいのかぁ。うふふっ。
心の中で喜んだはずなのに顔に出てしまったらしく、嬉しそうだなと頬を掴まれる。唇がタコさんみたいになったからそのまま目を閉じてみるとバカって言葉と一緒に唇を噛まれた。
「いったぁッ!痛いっ!」
「バカなことするからだろ」
「だからって噛むことないじゃん!」
「で?俺が忙しくてなんで嬉しそうなんだよ」
だってだって、またおにーさん甘えん坊になるでしょ?俺のこと構い倒して甘えるおにーさんが可愛くってずきゅんずきゅんして大変だけどそんなおにーさんも大好きだからつい。
「いつも甘えてばっかりだけど、穂高さんが甘えてくれるのは嬉しい」
まぎれもない俺の本音におにーさんは結構甘えてるよと小さな声で言って、さっき噛んだ唇にちゅーをしてくれた。
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