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「つっかれた」 「それ俺のセリフっ!」 「うわっ、濡れすぎ」 俺の体から飛び出したよく分からない液体でぐっちゃぐちゃのベッド。 俺はずっとここに乗っているもんだから濡れてもそんなに気にならないけど、転がろうとしたおにーさんは気になるらしく被害が少なところに転がった。 「お前の体ってほんと面白いな」 「今日はなにがしたかったの?」 「出すもん尽きたら出さずにいくかなと思ったんだけどさ」 それじゃ俺がそのいき方が好きみたいじゃん。出さずにいくのも好きじゃないから。 それならおちんちんもっとひどくいじめてくれなきゃやだ。ってそんなバカな考えは言わずに黙っておにーさんを見る。 「お前どうなんのかなーってちょっとした好奇心」 「好奇心は俺の専売特許だから!」 「お前には勝てねえよ」 いや、勝つ勝てないの話じゃなくて! その結果俺の体は干からびそうだよ! 「………」 「この後は甘やかしてやるからそう膨れんな」 「シャワー浴びたい」 「立てる?」 そう聞かれて大丈夫!と立ち上がってみて、全然ダメだった。がくがくと足が震えて、まだうまく立てずにベッドに座りこんでベッドボードに凭れかかった。 おにーさん突き過ぎ!! ダメだあ。足開きすぎて股関節ががくがくする感じとは違って、足にも腰にも力が入らない。 「今日はベッドの住人になる」 「やり過ぎたか?」 「ううん、恥ずかしいけど気持ち良かった」 別にやり過ぎだとは思わない。 事後すぎて今はちょっと足腰が大変だけど、俺のことだから休めば問題ない。おにーさんはこのあと言葉通り甘やかしてくれるだろうし全然問題ない。 だからいいよとそんな気持ちを込めて抱き付くと冷てっ!と押しやられてしゅんと膝を抱えて泣き真似をした。 おにーさんはそんな俺を放って立ち上がってパジャマのズボンだけを履いて部屋を出て行く。しばらくして、お湯はりを始めますというアナウンスが聞こえたから俺のためにお風呂を用意してくれるらしい。 そして、戻ってきたおにーさんの手には見覚えのある薄い蜂蜜色の飲み物。 「レモネードだぁ」 「夏場は飲みたきゃいつでも言えよ」 「すぐ出来るの?」 「ああ」 冷蔵庫に入ってるだろと言われて、うーんと考えてみる。 俺はいつもお茶を取るかデザートを探すくらいしかしないからなあと思ったけど、それでも心当たりがあった。 「あれジャムじゃないの?」 「ジャムとはちょっと違う」 「ふぅん、よく分かんないけど美味しいからいいや」 そういってちゅうっとストローを吸って冷たいレモネードを飲む。空きっ腹だけど酸味がキツくなくて蜂蜜が入った甘めのレモネードで喉の渇きを潤して、ついでだからとご飯のリクエストまでさせて貰った。 「誠、11月ってなんか予定ある?」 「最初の日曜日は社員旅行〜」 「3連休あるからお前んち行くか」 「ふえっ!?」 「こんなん後回しにしてても良くねえだろ?」 「それは、そぉだけどっ!心臓が痛い!」 「俺がな」 いやいやいや、全然そう見えないよ? 普通!いつも通り! 俺の方が動揺してる気がするんだけど! 「誠んちは年末年始とかにすると人増えるから避けた方がいいだろ?」 「あ、うん。それは助かる」 母さんにも言われたし、俺もそうするつもりだったけど姪っ子たちには知られたくない。こういう普通からズレたことがあると知ることは大事だけど、分別を知る前に教える必要はないと思うし、姪っ子にわざわざ話すのかというところでもあるし。 兄ちゃん達なら聞かれたら答えるで終わるけど、姪っ子はちょっと違うからね。 「ごめんね。兄ちゃんはともかく姪っ子には刺激的過ぎると思うんだ」 「大っきい子が中学生だっけ?多感だもんな」 「そうなんだよ。前お正月にあったら一気に女の子っぽくなっててちょっとびっくりした」 こうして女の子は女の人になっていくんだなぁと姪っ子を見て思うって変だけど、歳の差が十分にあるから俺は姪っ子の成長を遠くから見守ってきた。 俺には下のきょうだいがいない分、お年玉ちょうだいと言われてホイホイ持っていく程度には可愛がっている自覚がある。 「まあそんなわけだから、11月の連休あたりにどうかなと」 「穂高さんって緊張しないの?心臓動いてる?」 そんな疑問をぶつけると、おにーさんは俺を引き寄せてぎゅうっと抱き締めた。そして、聞こえる鼓動がいつもより速くてそれなりに緊張しているらしいことを知った。

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