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車の後部座席にとんでもないものを乗せて、おにーさんは来た時とは違う道を通って、また車を停車させた。 今度は俺に何をする気……と顔を上げると、何度か来たことのあるケーキ屋さん。穂波ちゃんが好きなケーキ屋さんで、待てばホールケーキのオーダーもできる美味しいお店。 「ケーキ?」 「誠へのご褒美だからな」 「………ケーキでいいのに」 そう呟いた俺に少し笑ったおにーさんはふたつ選んでいいよと言ってくれた。 いつもはひとつなのに、やっぱりご褒美だからかな? このくらいじゃ流されないぞ!と思うのに、ショーケースに並ぶケーキを見るとそんなこともすっかり忘れて、どれにしようとウンウンと悩んでいた。 いちごのショートケーキとモンブランケーキが入った箱を大事に持って車に乗って家に帰る。 夕方だったけど、ひとつなら食べていいと言われたので夜ご飯の用意をするおにーさんを見ながらモンブランケーキを食べる。 「穂高さんはいらなかったの?」 「ああ」 「ふふっ、ケーキふたつって贅沢だねえ」 「そうだな」 夜ご飯の後も食べれるなんて幸せとモンブランを口に放り込む。優しい甘さが広がって、うう〜んと唸りながら味わう。 「夜ご飯はなぁに?」 「ハンバーグとエビフライ。マカロニサラダと野菜スープ」 「………なんか俺が好きなのばっかりじゃない?」 「誠へのご褒美だからな。明日の朝は卵かけご飯。具は明日の楽しみな?」 「やったぁっ!」 おにーさんは卵かけご飯をあんまり作ってくれない。 この言い方はおかしいんだけど。 いつもちゃんとご飯を作ってくれるから、卵かけご飯になる日が少ない。 うん?あれ?なんか俺甘やかされてない? 「穂高さん」 「どうした?」 「今日買ったやつ使う以外に何する気?」 「はあ?」 「ぜぇったいに裏がある!」 「ねえよ」 「嘘だ!」 「されたいならしなくはない」 「ごめんなさい!」 秒で謝った俺におにーさんは楽しそうに噴き出して笑って、ご褒美なんだろ?と言ってくる。 そう、ご褒美。ご褒美がなぜか鞭。 おにーさんは少し前から、俺の会陰部を触るのが好きだ。曰く開発してるらしいけど、しなくていいと思う。別にそこ性感帯にならなくてもなんの問題もなかった。 そんなことを思っても、俺はもう既に諦めている。 いや、1割くらいの期待と、9割の諦め。 おにーさんが俺にすることは、大体最後には俺の体は気持ちいいと思うことばかりだから。でも痛いのは痛いっぽいからやだなぁという気持ちはまだ残ってる。 痛くてもいいやと思えるほど俺は堕ちていない……はずだ。 美味しいご飯とデザートを食べて、シャンプーのサービスまでついてた。ここまでは完全にご褒美だと思うけど、この後のご褒美はいらない。 あんなおちんちんに輪っかつけて何がご褒美?これなら首輪の方がマシだと心底思うけど、そんなこと言えばなら付ける?と首輪まで追加される未来しか見えないから俺は何も言わない。 「ねえ穂高さん」 「なに?」 「それ、どうやってつけるのか全然わかんない」 「ここに竿通して、これでタマ挟むんつっーか抑えるんだよ」 「ひぅっ!?」 「このアームのおかげで勃たせるほど締め上がるから気をつけろよ」 「………」 そんなバカな。 うん、あれ?ちょっと待って? 「ローターは?どこに当たるの?」 「会陰部」 「無理じゃん!」 え、無理じゃん。 会陰部でぶるぶるするの?無理じゃん、多分おっきする。 「せーえき出なくなる」 「だろうな。いわゆるコックリング。ちょっとおまけ多いけど」 「おまけいる?」 「いる」 「俺はいらないぃ」 抵抗しても無駄だと分かっているけど、足をぎゅっと閉じて隠してみる。 付けられたら気持ちよくていけなくて、パンパンになったものを輪っかで締め上げられるなんてやだ。 やっぱりこんなのご褒美じゃないっ。 「出さずにいけたら外してやるよ」 ニンマリ笑った悪魔とも鬼とも言えないおにーさんは、これを外してくれる条件を悪い笑顔で突き付けた。

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