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はふ、はふと浅い息を繰り返す俺に触れるだけのキスをして落ち着くのを待ってくれる。触れるだけのキスさえ気持ちよくて、体がきゅうぅってなって穂高さんが息を詰めることもあった。 「ぁ、も、俺ぇ」 「どうした?」 「せーえき、出ない、よおっ」 「うん、可愛い」 うっとりそう言って、触れるだけだったキスを深いものに変えた。 少しだけ腰を揺らして、その大きなものに馴染んできたなと思えば徐々に動きが大きくなっていく。 「ぁっ、ひあっ、あんっ、ンッ」 「誠」 「ンッ、ぁ、ほ、だか、さん」 「気持ちぃ?」 「ぁ、きも、ちいっ!」 「っ、俺も」 「ああっ!ぁ、また、出ちゃ、あっ」 出ていきそうなほど引き抜いたものが中を押し広げて入ってきて、いいところを余すことなく刺激されて、俺だけじゃなくて穂高さんまで俺が飛ばしたものでぐちゃぐちゃだ。 「ぁ、やだぁ、み、見なぁ、でっ」 「?」 「その、目………こーふん、するっ、からあっ!」 穂高さんの欲望が見える目はゾクゾクする。 それを見るだけで、甘い快感を感じる、気がする。 「いい、んだよ」 「ふぁ?や、な、に?」 「ちゃんと見とけ、覚えてろ」 「や、ぁっ、あぁっ」 「お前に興奮、してんだよ」 「ああァッ!」 そうして腰を打ちつけてくる。 むり、むり、やだ、恥ずかしい。 それなのに俺の手は穂高さんの胸を押すんじゃなくて背中に回っていて、頭と体がちぐはぐしていた。 こういう日ほど、穂高さんが絶倫じゃなくて良かったと心底思う。 久しぶりだから1度で終わることはなかったけど、それでもゴムの消費は2つで済んだ。俺は何回出したか分かんないけど、途中からは製造が追いつかなくてよく分からない液体を飛ばしたせいで終わった今もおちんちんは萎えない。それでも意識がちゃんとしているから、大丈夫だと思う。 「はぁ、ぁぅ」 「大丈夫か?」 「ぅ、ん」 乱れた俺の髪を整えるみたいに優しく頭を撫でられると心地いい。性器だけを見たら今にも破裂しそうで可哀想なくらい我慢させられるみたいなのに、俺は心も体も満足している。ちょっと、いきすぎて辛いけど。 「ぎゅってして」 「はいはい」 2人揃ってぐちゃぐちゃのまま抱きしめ合う。 「シャワー浴びてシーツ替えて寝るか」 こくりと頷いて返事をしつつ、穂高さんの肩にくちゅくちゅと吸い付く。 「誠」 「ん、なぁに?」 「俺に見られてんの嫌ならさ」 「………嫌だよ」 「まだ何も言ってねえよ」 「やだ、やだ」 「見えなきゃよくね?」 「???」 「視界を奪われた誠って、絶対イイ」 普段より落ち着いた、うっとりした声でそんなことを言わないでほしい。 「やだ、怖いじゃん」 「大丈夫、怖がらせない」 「やだ」 「ならずっと誠見てるしかねえな」 「………やだ、俺が変になる」 「試すだけ。怖かったらやめる。やり過ぎたことがないとは言わねえけど、気をつける」 優しく言い募るその内容はひどい。 えっちする時、俺から視界を奪うなんてそんなことをねだってくる年上の恋人を怒れたらいいんだけど、俺はそういう風に躾けられていない。 こうして甘くねだられると、頷くように躾けられてしまったも同然な俺にはそもそも選択肢がないのと何も変わらなかった。

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