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そう言われて、俺はしがみついていた体を少し離して、穂高さんに顔を寄せる。
穂高さんの目が瞑られていくのと同じように、俺の視界も閉じていく。
唇がちゅっと触れると、俺の胸を弄っていた手は俺の体に回されて、ようやく乳首から手が離れてホッとする。
お礼のつもりでぺろっと唇を舐めて離れるようとしたけど、唇を舐めたものの離れることは許されなかった。
「ん、ぅ?」
「ふっ、なんでもねえよ」
息を吸う合間に妖しく笑った穂高さんに気づいて目を開けると、笑う穂高さんがいた。冷静だったら悪い顔してるって思っただろうけど、その時は唇に触れる感触が気持ちよくて俺は気づくことがなかった。
どうしたの?と首を傾げた俺の後頭部に手を回して、自分に引き寄せて深く舌を絡ませてくる。
そして、俺はようやく穂高さんの意図に気づく。
疑うべきだった。
むしろさっきキスしててどうなってたかをよく覚えておくべきだった。
穂高さんが用意する逃げ道は逃げ道であって逃げ道じゃない、どちらに落ちるかを選ばせているだけだと知っているじゃないか。
「んっ、うぅっ、ふぅ」
酸素を求めて口を開けるほどに穂高さんは食らい付いてきて、欲しい空気は得られない。
酸欠で溶けていく頭は気持ちいいとしか思えなくて、体から抵抗する気が抜けていく。
「ふぅ、ぁ、ぁぁっ」
力の抜けた体は自分の体さえうまく支えられなくなって、膝からも力が抜けて穂高さんの上に座り込むほどに奥に入ってくるもので体内が満たされる。
気持ちいぃ。
「そんな気持ちぃ?」
「ふぁ、、ぁ、きも、ちぃ」
「苦しくねえの?」
「んっ、頭、とけるっ」
「ははっ、意味分かんねえ」
その声は楽しそうで、機嫌は良さそうで、俺は甘えるように肩に額を擦り付ける。
「お前やっぱ苦しいの好きなんじゃねえの?」
「………」
「まあいっか」
追求されないことに安心すると、穂高さんが俺の体を揺らす。力が抜けている俺の体は穂高さんが思うままで、気持ち良さに涙が出る。
俺が動きやすい体勢のはずなのに、ただ揺らされるままに深く貫かれる。
その度に性器は白濁混じりの蜜を溢して、痛いくらいに張り詰めていて、解放を今か今かと待ち侘びる。
「穂高、さんっ」
「うん?いきそう?」
「ぁ、俺、きも、ちい?」
「すっげえイイ。苦しいくらいの方が好きってやべえよ」
「あンッ、好き、じゃなあッ!」
返事の途中で穂高さんが腰を揺らす。
俺の体を揺らすよりもよっぽど早く、的確にいいところを抉ってくるそれに、翻弄された。
2人分の荒い息が響く部屋で、俺はぐったりと穂高さんにもたれかかる。
俺と穂高さんのお腹は俺のせいでぐちゃぐちゃだけど、2人揃って汚れているからくっつくことを遠慮しない。すりすりと擦り寄れば、そっと慰めるみたいに俺の腰を撫でながらどうしたって聞いてくれる。
どうもしないけど甘えたくて、もう少しこうしていたいだけだから何も答えずにぎゅうっと腕に力を込める。
「誠、まだゴム残ってるけど。どうする?」
もうそんな体力ないよと言いたかったはずなのに、なんでだか俺は腕を伸ばして、もっかいと、自分でも吐きたくなるほど甘い声でおかわりをねだっていた。
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