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第7話

「良かったらコレ飲んでください」 また声を掛けられ恵は驚き顔を一気に上げる 膝に手を置き片方の手には水のペットボトル そのペットボトルを自分の方へと伸ばしてこちらを伺うさっきの男 「あそこで買ったばかりのですから」 100メートル先にある自動販売機でワザワザ買ってくれたみたいだ 「あー、有難う」 そう言いながらおずおずと手を伸ばした ペットボトルを掴む綺麗な指が見え、恵はペットボトルより指を観察してしまう。 「どう致しまして」 受け取ったペットボトルから離れていく手 ガシッ ビクッとその手が反応した気がした。 えっ??と驚いた顔がこちらを見ている。 ん?と少し恵は頭を横に倒した所でやっと自分の手が相手の手を捕まえている事に気付く バッと音がなったんじゃないかと思うぐらいの勢いで手を離し混乱した頭で恵は謝罪の言葉を言っていた 「ビックリしたけど大丈夫ですよ」と笑われてしまう、 良い年下オッサンが何してんだかと呆れる始末だ。 セクハラだと訴えてたら仕方ないこのご時世に... 「すまない、つい手がキレイだなと、って俺何言ってんだか気持ち悪いよな、すまない」 「あーよく言われます」 と笑いながらこちらに気を遣ってか軽く答えてくれる、こいつはモテるだろうな。といらぬ事を考えしまう。 「おぉ、イケメンはいう事が違うな」 とそのノリに合わせて恵も返事をしながらペットボトルを持っていない手を地面につけ、ヨイショっと立ち上がる あ、ヤベェ と思った時はもう遅くいきなり立った為立ちくらみが恵を襲いそのまま前へ身体が傾いていく、後は地面に倒れ込むのだろうと冷静な頭は判断だが身体は素直に重力に従うのみ もうダメだと思ったが一向に地面に倒れずやっと目の前がクリアになっていく 「危な、いきなり立つからですよ」 とガシリと抱き抱えられていた少し俺の方が背が高いのかと呑気に思ったが 支えられているのに気づき慌てて身体離そうとする 危ないので、いきなり動かないで下さい。 と言いながら身体から手を外し離れていく。 少し寂しいなと無意識に思った。

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