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第11話

カシャッ ごめんなさい、ごめんなさい。 耐えきれずこんな状況なのに俺はその手を写真に納めた。 バッと勢いよく前の彼が振り向く。 少し眉間にシワを寄せ唇を少し噛むような苦虫を噛んだような、何とも言い難い顔で 「何撮ってるんですか」 「あっ、あぁ〜手?」 「はぁ〜!?手?てか良くこの状況で」 「あーすまない。どうしても撮りたいと思ったらウズウズして耐えられないんだ。」 「はぁ、まぁ良いですけど責任取って下さいね」 とそう良いスピードを落とす事なく俺を引っ張っていく 責任?セクハラのだよな、、、、 これは本格的にマズいやつ。 ニュースには 【35歳フリーター虹崎恵容疑者が20代男性の手を舐め逮捕】と報道されるのだろうか サーッと顔が青ざめて行く。 そして周りからセクハラおやじと言われ過ごすのだろうか..... そーなったらここには暮らせないから何処か遠くへ引っ越しせねば。 会社員じゃなくて良かったとまで思考を巡らした所で前の彼が止まった事で俺も止まる。 ん?エレベーター??ん? チーンとエレベーターが到着しまた引っ張られて乗り込む。 良く分からず相手の顔を横から覗くが先程と同じ顔をして階数表示を見ていた。

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