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第12話

チーン 程なくして5階と表示された所で扉が開らきまた引っ張られて歩き出す マンション??交番じゃなくマンション? 頭が混乱して上手く理解出来ないし声を掛けれる雰囲気じゃない。 そして1番奥まで行き彼はポケットから鍵を出し施錠を解除して扉を開ける 「さぁ、入って下さい」 そう言われ扉を背で支えながら引っ張られて彼より先に玄関に入る。 人間の習慣なのか俺は待たせては行かないとオズオズと上がり口の横に靴を脱ぎ お邪魔します と部屋へ入る。 後ろから彼が靴を脱ぎ部屋へ入る 「そこに座ってて」 といきなり肩を押されて3人掛けソファーに座るように促される 返事を出来ないまま少しソファーに近寄るが本当に座ってて良いか分からず立ちすくんでしまう 彼はスタスタと何処かへ行ってしまった。 あっ、ここあのマンションか!? ベランダへ出る大きな窓はカーテンが開けられている確認する為窓の方へ歩き外を見る そこにはやはり今日も撮っていた桜達が見える。 やっぱりこのマンションからの桜道は綺麗だ。 と予想が当たりカメラを向けたくてソワソワしてしまう。 ゴトリ と後方から音が聞こえビクリとしながら振り向く。 「写真は後から撮ったらいいですからまずはこちらに来て下さい。」 と少し困ったような顔で言われてしまった またオズオズと彼に近付いていく。 彼はテーブル上に何か大きめの箱を置きソファーに座る 「責任取ってこの怪我の手当てして下さい」 と左の手の甲を上に手をこちらに向けて持ち上げている 「あっ、すまない、直ぐやる」 持っていたカメラを首から外しラグの上に置き膝を立てたまま彼の前に立ちテーブルの上の救急箱と予想した箱へと手を伸ばす たどたどしく消毒し大きめの絆創膏を貼り手当てをしていく。 「出来た。たぶん傷跡は残らないだろうが、何かあったら言ってくれな、責任取って綺麗に治るようにするから」 そう言い俺はポケットから財布を出して自分の名刺を相手に渡す 「寺崎 恵、フリーのカメラマン」 名刺をみて彼がぶつぶつと言っている 「はい、虹崎 恵です。」と自分から名乗ると 「あー、七条 悠介です」と律儀に名乗ってくれた。

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