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第15話

とりあえず部屋に着き逃げられない様に先に相手を部屋に入れソファーに座っててと促す その間に救急箱を取りに行き戻ってみたら男はベランダに繋がる窓の前でカメラに手を添え撮りたいとワクワクとしているように見えた。 ゴトリと救急箱を置く後で俺が居るのを気付いたみたいで振り向く 「写真は後から撮ったらいいですからまずはこちらに来て下さい。」 そう言いながらおれはソファーに座ると男はオズオズと近付いてくる こーやってみるとやはり俺より背は高くがっしりしていて足も長くスタイルがいい。着ているモノはラフな黒のボトムスに白シャツだがそれだけでも大人の魅力を引き出している。 「責任取ってこの怪我の手当てして下さい」 と左の手の甲を上に手を持ち上げて催促する すまない、直ぐやる。とたどたどしいが的確に手当てをして 「出来た。たぶん傷跡は残らないだろうが、何かあったら言ってくれな、責任取って綺麗に治るようにするから」 そう言いポケットから財布を出して名刺を差し出してきた 「虹崎 恵、フリーのカメラマン」 そこには肩書きと名前と携帯番号とメールアドレスが記載されている 「はい、虹崎 恵です。」 と言われたのでこちらも教えるしか無い 「あー、七条 悠介です」 とかなり久しぶりな自己紹介をした。 そして何故が彼はマジマジと俺を見てくる。 初対面でこんなに見るとか失礼じゃね?って程。 まぁこちらも彼をマジマジと見たけど。 黒のウェーブの掛かった肩下程ある長髪だが全く不潔さがない。 それにシャープな顎のライトに彫りが深めの顔。 少し吊り目だが怖い感じもしない、中心にある黒眼が艶やかだからだろうか。 鼻筋も通り少し薄めの赤みのある唇が色気を醸している気がする。 正統派俳優みたいなイケメンだ。 流石にマジマジと見られて恥ずかしい 「見過ぎです」 「あっ、悪い。しかし七条さんはイケメンだね。」 イケメンにイケメンとか言われたくない。嫌味なのか?でも少し嬉しくなり恥ずかしく顔を伏せる 「はぁ〜それ貴方が言います?」 きっと顔赤くなってるだろうから顔は上げられない。 「んー?おっさんにそんな事言われてもキモいよな。すまんすまん。」 何この人自分がイケメンなの全く自覚無しなのかよ。 「はぁー!?あー。もう良いです。」 と両膝に肘を突き両手で顔を支えながら項垂れる。

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