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第37話
トン
静かに閉められた扉の音
んっ
パチパチ
あー朝かぁ……
隣を見れば空。少し手を伸ばしてみる…まだ温かい…
ゴソゴソと布団の中を動いて恵の温もりを感じたい…
ぽすっ
微かに恵の匂い…
温かい…
昨夜はなかなか寝入れず恵の寝顔を見ていた。
息してる?って程静かに動かず寝ている…
胸が上下しているのを確認してホッとした…
顔の横に有る髪を耳に掛けるように触ってもピクリともしない…
男らしい骨格…彫りの深い顔…
でも全てがバランス良くカッコいい…
恵がパリッとスーツを着て髪をオールバックにしてシャキッと歩いたらヤバイだろうな…と妄想してみたり…
昨夜の回想を思い出し
はぁ〜
手を顔に当て天井を仰ぐ…
今まで隣に居る人の寝顔を見たり、観察する事なんて無かった…
女は腕枕とかをしたがるが俺はしない。
寝る時は離れて寝るし先に寝て相手より後に起きる。
最低野郎だ…
朝は低血圧で起きれないし生活習慣的に夜型で朝は苦手だ…
でもこんなに目覚めの良い朝は久しぶり…
でも二度寝したい…
布団と恵の温もりがまた夢の中へ誘って来る…
この気持ちいい微睡…
幸せだ…
きっと恵の事だ、朝食を作ってくれてるはず…
早くエプロン届かないかな…
今日届くから夕食の時には…
はぁ〜
俺ってこんなに変態だったかな…
そんな事に気付いて1人で苦笑いを零す…
今日もいい天気…
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