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第36話
パチリ
キョロキョロ…
知らない白い天井に知らない部屋…
あー
やっと頭が覚醒して色々思い出す…
ここは悠介の寝室だ…
昨夜は色々あったから寝れないと思っていたのに俺は速攻で寝ていたらしい…
部屋やベット、枕が変わるとあまり寝れない性質だったが爆睡だった!!自分でもビックリする程の爆睡!!
昨夜ので頭がショートしたからだろう…と思い込む事にしよう。
何故なら左側が温かい…
他人の体温を感じながら起きたのは何年ぶり?両手では足りない程前だな…と自分で思い出し苦笑いを溢す
左に顔を向ければ俺の腕を両手で抱えてこむようにして俺の肩に頭を付けて眠る悠介。
少し幼く感じる綺麗な寝顔が間近にありドキリとしてしまう。
朝日に照らされる悠介の顔は透き通るような肌であまり生えないのか手入れされてるのか髭もなく肌荒れとは無縁そうだ…
大きな目は今は閉じられているが長い睫毛が覆っている。俺とは違う色素の薄いダークブラウンの瞳が見えないのが残念だ…
夢を見ているのか少し口がムニムニと動いている
少しぽてっとした唇は朝なのに乾燥もしておらず可愛さを醸し出していた…
はぁ〜と天井に向き直りどうしたものかと考えしまう…
しかし寝ていてもイケメンはイケメンなんだなぁ…
と感心しつつ俺は枕元に置いたカメラを右手で探り寄せ電源を入れシャッター音を出ないように設定し液晶画面を見やすい様にパカリと動かし適当に見える様に調節しカメラを悠介へと向ける…
右手だけしか使えずこの体勢…液晶が動かせるので良かった…
そして心の中で起きるなよ。と願いながら…
カシャッ カシャッ (無音だが多少は鳴る)
寝顔を撮り、俺の腕を抱え込む手を撮り…
何とか数枚をカメラに納め悠介が起きてない事を確認した後、俺はゆっくりと抱き抱えられた手から腕を脱出させる。
途中 んんーっ と身動ぎはしたが何とか起こさずに済んだ。
そして遅めの朝食を作る為にベットから降りる
扉のドアノブに手を掛けたまま1度振り返り…
また1枚写真を撮る…
大きなベットに悠介の身体の形で膨らんだ布団…
暗めの紺色のシーツの中に眠る悠介は異質の様に存在を浮かび上がらせている。
俺の頭がそう映し出しているだけなのか、これが普通なのか俺には全く分からなかった…
さて!と気持ちを切り替え部屋を出る
少しフローリングが冷たいがそのまま洗面台へ行き水で顔を洗う。冷たい水でスッキリと目が覚めた。
リビングに入れば太陽が既に部屋を温めてくれていたお陰で寒くは無い。
さぁ、今日の朝ごはんを考えよう…
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