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第35話
はぁ はぁ
恵の激しい呼吸音に身体が震える…
大人な恵が貪るように俺を求めてくれた現実に…
嬉しさが込み上げる…
キスだけでここまで感じ満たされるなんて悠介は初めてだった。
しかもキスは好きな方じゃなく求められれば答える程度の自分がここまで…
もっとキスしたい…口だけではなく恵全てに…
「抱きたい…」
言葉にしようとしてなかった言葉が口から溢れた…
自分でもハッとしたぐらいだ。
恵を見れば、目を見開きポカーンと考えあぐねているようだ…
あまりの呆気に取られた顔にクスリと心の中で笑ってしまう…
それにキスで確信したが恵はバイかゲイだろうと。
こんなに男の俺がキスしても嫌がらず、しかもそのキスに答えてくれたって事は…
これからどうしたものかと考えていると
「大丈夫か?」
と困った顔で言われる…
大丈夫か?って何が?頭が?って事か??
「どういう意味ですか?」
「いや、どー考えても俺を抱きたいなんて頭大丈夫かなと…悠介は若いしモテるだろ?悠介はゲイなのか?? しかも俺みたいなオッサンを抱くとか…それに…俺抱かれる側は…」
やっぱりか…そしてやはり恵は男のがイケるんだと嬉しくなる。
恵は自己評価が低すぎるように感じる…
歳にしてもまだオッサンでは無いし何より見た目で言えば若く見えるし大人な美丈夫なのに…
それに俺は他の誰かじゃなく恵が欲しいと思っているのに…
はぁ〜
とため息をつきながら恵の上に上半身を預けてギュッと抱きしめる
「こんなに欲しいって思うの初めてなんです…」
結局これしか言える事はない。
恵からの反応は無い。そしておれは決意する!
「覚悟決めといて下さい。一緒に居る間に抱くって決めました! ではおやすみなさい」
そう言い笑顔を見せ、いつもの場所のリモコンで電気を消した。
これからどう攻めていくか…
口角が上がりニヤリとしてしまうのは仕方ない…
流してなるものかと…
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