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第34話

はぁ  はぁ どちらも息が上がりお互いの激しい呼吸音が部屋を占領する。 薄靄の中に居るように頭はボーッとして身体はフワフワと、自分じゃないような感覚がした。 今まで何度もしてきた行為が何だったんだろうと思える程、気持ちよく心地よく満たされる… この歳で知るなんて… 「抱きたい…」 上から囁くような…悠介の小さな呟きが耳に届く… ハッとして薄靄が晴れるようにスーッと頭が冷えていく… “抱きたい”… という事は俺に“入れたい”って事であって 俺が“入れられる”側… いやいやいや……… 俺は“入れる側”だ… 処女とは言わないが、20代前半まで?って事は15年以上は前であって… ほぼ処女に近いし…こんなむさ苦しいオッサンを抱く?可愛げもないオッサンを? 想像が付かない…俺が? しかも悠介に??若いからただの興味本位か? じゃなきゃ説明が付かん!! 若くてイケメンでモテるであろう彼が俺をなんて… 頭の検査してもらった方が… 「大丈夫か?」 色々考えた挙句出たのはこの言葉… 「どういう意味ですか?」 顔を見れば不機嫌そうな顔の悠介… 「いや、どー考えても俺を抱きたいなんて頭大丈夫かなと…悠介は若いしモテるだろ?悠介はゲイなのか?? しかも俺みたいなオッサンを抱くとか…それに…俺抱かれる側は…」 とりあえず思った事を言ってはみたが… はぁ〜 とため息をつきながら悠介が俺の上にのし掛かり鎖骨当たりに額を当てギュッと抱きしめてきた 「こんなに欲しいって思うの初めてなんです…」 胸辺りに口が当たっていて集中して聞かないと聞こえないぐらい小さな声が聞こえた… どう反応して良いかも分からず… 何も言い返せず沈黙が訪れる… んあぁぁーー といきなり声を出しガバッと元の位置に戻りうつ伏せで枕に顔を埋める悠介… ビクッとした後上半身をあげ座る形になり悠介を見やるしか出来ない… 少しして枕に顔を埋めたままこちらを向き 「覚悟決めといて下さい。一緒に居る間に抱くって決めました!   ではおやすみなさい」 ニカッと笑顔を見せ手元の照明のリモコンで電気を消した。 俺は何も言えず枕に頭を乗せるしかなかった… 多分…今俺の顔は年甲斐もなく真っ赤だろう……

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