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第33話

「悠介、身体が冷えるから布団に入ろう」 と普通に言われてしまえば何も言い返せない… やっぱり大人だな…冷静で… 「そう…ですね。」といつもの位置の方へ行き布団に入る…寂しい… 「俺らはまだお互いの事を良く知らない。悠介は仕事、何してるんだ?」 と気を遣ってか質問される。 良いクールダウンタイムだと有難くほっと息をつく 「俺は…簡単に言うとフリーターですね。頼まれた事を家でして…」 でもやはりこの質問は基本だな。まだ仕事の事は話したくない…傷がもう少し癒えるまで… と目を逸らし天井を見て嫌な思考を消す… 「そうか。好きな食べ物は?」 これ以上聞かない方が良いと判断してくれたのか違う質問が来る。こーやって空気を呼んでくれる所が心地良い… 「ん〜悩む質問ですね…何でも好きですが、やはり肉ですかね!?恵は?」 「肉か!若い証拠だな!俺は杏仁豆腐だな。」 「杏仁豆腐ですか?てかデザートじゃないですか!メイン料理では?」 「んー強いて言えば…俺特製のビーフシチューかな…」 「それ食べてみたいです!」 「おっし!約束の一緒に居る間に作ってやるよ。」 心地良いキャッチボールだったが“約束の一緒に居る間”という言葉がこの約束が終わればもう会う事は無いと言われて気がしてチクリと心が痛かった そしてイラっとしてガバッと動き上半身を覆い被さりキスをする チュッ、 ハム クチュ ピチュッ 軽くキスをし唇を唇で挟み舌で撫で、いきなりの貪る様なキスに驚いたのか口が少し開いた所に舌をねじ込み口内を犯していく… ずっと一緒に居たい…と気持ちを込めて… 少し固めの舌、俺より冷たい体温、甘く感じる唾液…全てにおいて恵が欲しい… 恵のキスは上手くやはり大人だと感じてしまう…翻弄される… んっ と恵の声が耳に届き頭が麻痺していく… 「悠介…」 またも胸に手を付き距離をとられキスを中断させられる…離れた口から唾液が糸をひくのが見え更に欲求を引っ張りあげられる… 「足りない…」 そう言い恵の両手を拘束し再び口を犯した… 我を忘れ恵だけを感じる…離したくない… 徐々に恵は受け入れてくれたのか舌を絡めて返してくれるようになった… 嬉しくなり更に深く口付ける… うなじに手を入れ、左手は恋人繋ぎをして… 俺達は溺れるようにキスをした 窒息しそうな程… 息が上がり吐息が甘く激しく 止め方が分からない程… 何かが満たされて行くような感覚がした 今まで1度も満たされなかった器に一滴、一滴と 恵に背を掻き抱かれ心が震えた…

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