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第32話

座ったままの虹崎さんを見下ろし…今まで感じた事の無い言葉に出来ない感情のもどかしさに戸惑う自分が居て困る そしてどーしても名前で呼んで欲しいと思った… 「悠介です。」 「へっ?」 「これから悠介って呼んで下さい。」 「ん?あぁ、分かった。」 「俺は恵さんって呼びます」 「 さん は要らないよ」 「分かりました。恵」 呼び捨てで良いなんて…この感情は愛おしいで合ってるのだろうか… そう思えば触れたくて恵の頬を手の甲で撫でてみた… ピクッと肩が跳ねさせ恵が少し目を見開いている 「っ!!悠介君…??」 「悠介です。 君 は要らないです」 「あぁ、、分かった…」 「名前呼んで下さい」 「ゆっ悠介!?」 「はい」 名前を呼ばれ俺はもう止まれない…何とも思っていた名前が特別な意味を持った様に感じた… 恵をベットへ押し倒し逃げられないように囲う… 「恵、キスして?」 何故キスして?なんて言ったとかよく分からないけど心が求めて欲しいと思ってるからだろうか… 「ちょっ…」と言いながら手で距離を取られてしまう 求めて欲しい… 「恵…」今まで感じた事ない程の高揚感、そしてファーストキスの様な… 違うな。初めてキスだけでこんなに緊張し満たされる感じがした… だから教えてあげる。 「俺の心臓の音分かりますか?」 徐々に恵の手が熱くなっていく様に感じ、手のひらから伝わる恵の鼓動も自分のモノかと思うほど同じな気がした… 「早いな…」 「こんなの初めてです。」 「初めて?」 「キスするだけで緊張してこんなにドキドキするのは初めてです…」 こんな風に自分の内を誰かに話した事は無かった気がする…それを認識して恥ずかしさが一気に押し寄せた… すると下からため息が聞こえ、嫌だったかな?と気分が落ちそうな時に 「君を愛おしく感じるよ。今日会ったばかりなのに…」 思わず離したしまった恵の手が頭を撫でられ頬で止まった手が優しくてもっとと無意識に強請るように頬を寄せていた… 「その言葉はズルですよ」 と恥ずかしさを誤魔化そうと言えば後頭部を引き寄せられ恵からのキスを受ける… チュッ と音を立て離れていく恵…

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