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第9話:夢幻〜好きに扱われる肉体〜

★葵:父が早くに亡くなり、母も蒸発したところ、男娼店のオーナーに拾われ、売上一位を目指す。オーナーのことが好きで、山吹に嫉妬している。 ★五条:葵に執着している客の一人。本気で恋をしてしまい、葵に好かれたくてお金を注ぎ込む。 ★山吹千尋:男娼店の管理を任されている。昔は人気のポルノスターだったが、オーナーである大神竜司と出会い恋人となり、引退している。 ★大神竜司:大神家の籍に入っているが、当主と仲が悪く縁を切っている。連れ戻されないよう裏社会とも繋がりを作っている。 私は男娼として働いています。職がなく困っていたところをオーナーに拾ってもらい働いて恩返し中。様々な悩みを持ったお客様のために奉仕するのが私の役目であり、店の考えでもあります。しかし、やっぱりオーナーのために頑張るのが本音。 今日の最初のお客様は五条さんという方。丁寧口調は疲れるが、お客様のリクエストなので仕方ありません。あ〜やっぱり疲れるわ、この口調。 「今日はオイルマッサージですね」 「ああ。台に乗って下さい」 「あの、優しくお願いしますね」 五条さんが私にマッサージをしたいらしい。最初は緊張したけど慣れれば気持ちいいし楽だ。 うつ伏せになりリラックスしていると五条さんの手が私の背中に触れた。ひんやりしてて心地よい。そしてすぐに熱くなってきた。 「ひゃっ!ああっ……!」 「ん?どうしたの?」 「何でも…んっ」 「この辺りこってますね。念入りにほぐしますよ」 マッサージと言いつつ、私の平たい胸を揉みしだく。乳首を強く引っ張っては捏ねて反応を見るのが好きらしい。私は恥ずかしい声が出ないように必死に耐えた。 「んぅ……ふぁ……」 「気持ちよかったら声だしていいよ。下も触ってほしい」 「そこはマッサージするべきところじゃないですよね」 拒絶している子をドロドロにするのが好きと知っているので、弱々しく断った。だが、五条さんは気をよくして前を触ってくる。 「やめてくださいっ、あっ、ダメっ」 「葵さん、ここ綺麗にすると健康にいいんです。まず足の付け根をほぐすんで足上げます」 そう言って五条さんは両足を開かせ、穴を撫で回してくる。この後、ブラシを付けたバイブを押し当ててくる筈だ。 「気持ちいいれすけど、んんっ、そこだめ、グリグリされたら汚しちゃう」 「いいよ、デトックスデトックス!ちゃんとブラシで磨いてあげるから」 「そういう問題じゃ、ああっ、そこ、敏感、なのっ、ひゃいっ!!」 五条さんは容赦なくバイブをあててきて、時折ローションをかけ、ナカに入れてくる。簡単に入るから、もっと啼くように意地悪してきた。 「ほら、葵さん。ピクピクして気持ちいいんですね」 「はいぃ…きもちいれす」 五条さんは私のお尻の穴を徹底的に責めるつもりだ。仕事とはいえ早く終わってほしいが、ナカにいつも入れずに放置するためかなり辛い。 「さっきから全然抵抗しないね。そんなにしてほしい?」 「して、ほしくは…んあああっ!!」 「嘘はいけないよ。あ、もしかして胸のマッサージ足りなかった?」 「ちがっ」 「ごめん、気付かなくて。ほら、気持ち良さを表現して」 また胸にごつい手を伸ばしてきた。強く摘まれ、痛くて仕方ないはずなのに、下半身は甘く痺れ腰が揺れる。こんな状態で胸を弄られたら、どうなっちゃうんだろう。 「ひっ、いたっ、あんっ」 「痛いんだ?おかしいな。ここはビンビンになってるよ」 後ろはバイブ、五条さんの胸揉み攻撃でイきそう。 「もう、イかせてぇ」 「可愛くおねだりしてくれたら考える」 「そんなの待てない、無理ぃ……んぁっ」 乳首がぎゅっと摘ままれて体が跳ねる。同時に後ろも強く押し込まれて腰を震わせながら達した。 「あーあ、勝手にイっちゃった。こんなに出しちゃって。僕が掃除してあげるね」 風呂場にガクガクの足で連れていかれ、ボディソープを付けた五条さんの手で身体中を弄られてしまう。赤子のようにされるがままで、卑猥な声を出してしまうと興奮しているのが分かる。 「僕のこと好き?」 「あっ……好き、ですっ」 「どんなところが好きなの?」 「えっちなこといっぱいしてくれるところ」 「ほんと、可愛いね」 「あっ、キスはダメ」 「いいじゃん。必ず毎回指名してるのに」 「無理矢理しちゃったら出禁ですよ。そんなの悲しいです」 「じゃあ、代わりに何してもいい?」 音楽が流れる。今日は短かったから、おそらく払う額をケチったのだろう。 「今日はここまで。五条さん、また指名して」 「給料前だからなぁ。仕方ない、また今度って言いたいけど」 そう言って、私を抱き上げてベッドに投げると、五条さんが覆い被さってきた。 「もうちょっと付き合って」 「時間切れ。黒服来ちゃうから」 「キスだけでも」 「嫌だっ!離せ!」 抵抗すると、離してくれたが悲しそうだ。 「ごめん。やっぱり好きな子としたくて」 泣きそうな顔で言うから、仕方なく抱きしめて背中を撫でてあげる。 「分かるけど、NGだから。ここのオーナー厳しい人だからバレた時クビになるかもだし、五条さんとも会えないの嫌だから。分かって」 ちょっと猫撫で声すぎた気もするが、五条さんは頷いて帰っていった。 ★★★★★ 「部屋2番空きました〜」 「お疲れ葵くん。五条さん出てくるの遅かったけど何かあった?」 「キスねだられました」 「あ〜どうする?他の子につけた方がいい?」 「いや、そのままで。一位になるには仕方ないし」 「分かった」 この店の管理を任されている山吹千尋は、部屋の鍵を受け取りノートに注意点をメモしている。客とのトラブルや、客の趣味嗜好、備品発注などノートによくまとめている。そして、オーナーが来る日に赤丸を付けていることも知っている。 「オーナー、来週に来るんですか?」 「ん?そうだよ。言っておくけど給料の交渉はダメだからね」 的外れなことを言っているが、山吹さんには本当のことを言わない。 「まあ、そんなとこです。売上一位になったらですけど」 「そっか〜」 山吹さんはオーナーと昔からの知り合いで、私のライバル。昔は男性向けのビデオに出演し超人気だったみたいだが負ける気はない。オーナーに抱かれたい。そのためには一位になって接点を作るしかない。 (オーナーのために頑張りますから!) この数日後、新人に2位すら奪われてしまうことを葵は知らないのであった。

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