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悪魔の審判
二人が順調に愛を育んでいたある日、国王から直々の書簡がアレクの元に届いた。
Ωの減少と共にαも数を減らし、今や国王のみがこの国唯一のαとなっていた。
アレクとアレンはこの書簡を渡された瞬間嫌な予感しかしなかった。
おそるおそる開けてみる。
”ルチウ国王の伴侶としてアレクが決定した。一週間後、本土へ渡られたし”
簡潔にそれだけ書かれていた。
アレクの顔は真っ青だった。
「兄さん…」
「アレン、どうしよう…」
「落ち着いて、兄さん」
「落ち着けるわけないじゃないかっ!」
アレクが取り乱すのも無理はなかった。
この書簡を受け取る前日、トーヤからプロポーズを受けたばかりだった。
もちろん答えは一つしかない。
人生で最高の日の翌日、最悪に叩き落されるとはだれが予想しようか。
アレンは今にも死にそうな顔をした兄の姿を見て一大決心をした。
「兄さん、一つだけなら方法があるよ」
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